28歳のロジェ・ヴァディムが22歳の妻ブリジット・バルドーを主役に起用した第一回監督作品。
自由奔放な女性を演じたバルドーの登場は世界中でセンセーションを巻き起こし、彼女は大スターに駆け上がる(そして60年代にはBB(ベベ)と呼ばれるようになり親しまれる)。
1988年にレベッカ・デモーネイ主演で、ヴァディム自ら「可愛い悪女」(原題:And God Created Woman)としてリメイクしているが、みていない。
原題(仏): Et Dieu... créa la femme (意味:そして神は…女を創造した)
(1956、1時間35分)
南仏サン・トロペで老夫婦に引き取られて暮らす18歳の孤児ジュリエット(ブリジット・バルドー)は、魅惑的な容貌を持ち、実業家エリック (クルト・ユルゲンス)をはじめ近所の男性たちの注目の的。
彼女は近所に住むタルデュー家の長男アントワーヌ(クリスチャン・マルカン)に心惹かれていたが、遊び相手としか思われていないと知り、彼の弟ミシェル(ジャン=ルイ・トランティニャン)のプロポーズを受け入れ結婚する。
だが、ジュリエットはアントワーヌへの想いを断ち切れていなかった…。
「彼女は男を破滅させる女だ」
~登場人物~
①ジュリエット・アルディ (ブリジット・バルドー):ヒロイン。孤児。18歳。
・モラン夫人(ジャンヌ・マルカン):ジュリエットを孤児院から引き取り育てる。持て余し孤児院に戻そうとする。
・モラン氏(ポール・フェーブル)
・友だち、リュシエンヌ(イザベル・コーリー)
②タルデュー三兄弟と母
・ミシェル(ジャン=ルイ・トランティニャン)
・兄、アントワーヌ (クリスチャン・マルカン)
・弟、クリスチャン(ジョルジュ・プージュリー)
・母、マダム・タルデュー(マリー・グローリー):ドックのそばに住む貧しい家庭。
③実業家エリックと知人
・社長エリック (クルト・ユルゲンス):ヨットも所有する実業家。ジュリエットからおじさまと呼ばれるお金持ち。
・知人のルフラン夫人(ジャンヌ・マルカン)
・ルフラン氏(ジャン・ティシエ):掃除機製造会社の社長。
バルドーの若々しく弾けるセクシーな肢体と気ままで奔放な魅力に尽きる。
クライマックスでその肉体を解放し自由奔放にマンボを踊りまくる姿は、女性の性の解放と自由へのメッセージ。
なお、バルドーはジャン=ルイ・トランティニャンと深い仲になり、本作公開の翌年(18歳での結婚から5年後)にヴァディムと離婚。但し、その後も一緒に仕事をしている。
バディムはプレイボーイとして有名だが、付き合った女性たちのセクシーな魅力をスクリーンに開花させた功績は大きい。
配偶者は
①ブリジット・バルドー(1952-57)
②アネット・ヴァディム(1958-60)
③ジェーン・フォンダ (1965-73)
④カトリーヌ・シュナイダー(1975-1977)
⑤マリー=クリスティーヌ・バロー (1990ー
・未婚ながら③の前1961年にカトリーヌ・ドヌーブと交際して1男あり。