ポンデリング山田

若者のすべてのポンデリング山田のレビュー・感想・評価

若者のすべて(1960年製作の映画)
4.4
初、ルキノ・ヴィスコンティ作品。

「生贄…?」

アラン・ドロンが主演を務めていると聞いて気になっていたのですが「太陽がいっぱい」ではゴリゴリの悪人を演じていてこの作品もそのイメージかな?と思って見たら、あまりにも優しく天使の様な心で驚きました。

ヴィスコンティの作品って華やかで芸術的なイメージだったけど、びっくりする程寒そうでボロボロな家が出てきます。大聖堂の上でロッコが涙を流すシーンが特に芸術的で好きです。

ロッコの兄は結局悪人だったのか、善人だったかはきっと兄の家族にしか分からない。倒れるまで殴り合っても愛してしまうロッコからは人間臭いどうしようもなさと同時に誰にも手に出来ない優しさを持っていた。

「今庇うことは優しさにはならない」どれだけ罪を犯そうとそれでも彼は兄のことを愛してしまうだろう。