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「若者のすべて」に投稿された感想・評価

度を超えた善人は、時として悪人より事態を悪化させる。
次男と三男の関係は共犯に近く、終盤には近親相姦&同性愛の雰囲気さえある。

結局、血の愛憎に巻き込まれるアニー・ジラルドが悲劇。
アラン・ドロンに惚れるシーンでは、悪女然としてからかっているものの、純朴な言葉に触れたのか、サングラスを掛けたり外したり。
細かい描写でドロンへの愛を深めているだけに、後半の地獄のような展開が辛い。
初、ルキノ・ヴィスコンティ作品。

「生贄…?」

アラン・ドロンが主演を務めていると聞いて気になっていたのですが「太陽がいっぱい」ではゴリゴリの悪人を演じていてこの作品もそのイメージかな?と思って見たら、あまりにも優しく天使の様な心で驚きました。

ヴィスコンティの作品って華やかで芸術的なイメージだったけど、びっくりする程寒そうでボロボロな家が出てきます。大聖堂の上でロッコが涙を流すシーンが特に芸術的で好きです。

ロッコの兄は結局悪人だったのか、善人だったかはきっと兄の家族にしか分からない。倒れるまで殴り合っても愛してしまうロッコからは人間臭いどうしようもなさと同時に誰にも手に出来ない優しさを持っていた。

「今庇うことは優しさにはならない」どれだけ罪を犯そうとそれでも彼は兄のことを愛してしまうだろう。
日記

日記の感想・評価

4.3
雪が降って、やった仕事だ!と沸き立つ兄弟たちが起き出して、外は雪が降る早朝のミラノ、寒い寒い空気に寝癖がついたままの格好でせかせかと熱いコーヒーにパンを浸して食べる、賑やかなシーンに、空気が伝わってきて、白黒の視界、こんなに色のあるシーンになるなんてと感動した

純朴で弟なアランドロンが拝めました
強いドロンしか観たことなかった
もう、こんな優しいひとが巻き込まれてめちゃくちゃになっていくのやだ
子供の頃からみれない、大人になってもみたくない
こんなものを作る大人たちは、なにかを教えたいのか、楽しませたいのか、今までの後悔なのか、どういうつもりで作ってるんだ

自分の欲のために踏みにじっておいて、自暴自棄になるナディアを可笑しな奴だって遠ざけるシモーネ
ロッコでさえも誰も、彼女の言葉に耳を傾けない
嫌味たらしく笑うしかできなくしたのは、誰のせいなのか、楽しかった一瞬、あっという間に拗れていく関係に、映画だと割り切れず落ち込む
優しく正しくあろうとしたロッコも、大切な女性を守りたかったヴィンチェンツォも、家族のため真面目に生きようとしたチーロも、不器用に歪んだシモーネも。
一方で、家族の悪いところに関わろうとしない長男、家族を顧みず自分のことしか考えない次男、家族にあまりにも慈悲深く自分や他人にはわりと冷たい三男、間違ったことは絶対にしたくない四男、振り回されながら思案する五男
普通に幸せになりたい、と願っては自分でおかしくしていく自堕落な人間を可哀想に思ってるんだろうか、この監督は

つぎはドロンの幸せになれる映画を観よう
あるかわからんけど

チーロが最後に言う

俺が一番シモーネを好きだった
シモーネは善人だった、だが義務を忘れ家族に迷惑をかけた、ロッコは聖人だ、だけどその寛大さがシモーネの破滅に拍車をかけたんだ、全てを許し自分が責任を負うことは必ずしもいい方向にはならない、絶対に許しちゃいけないこともある

故郷に戻りたい、でも、戻ったとしてもその故郷ですらずっと変わらないものはない
日々変化していくことを、そこで暮らす人々も分かっている
今さら戻っても同じことだ

こういう映画が怖くてみれない、
acchi

acchiの感想・評価

4.6
ロッコが聖人すぎた本当に、兄のために戦い愛する人の為に戦い…シモーネは悪魔に取り憑かれたかのように金金金…女…そして最悪の事態に…
ちょこちょこ現れる1番下の子が、兄弟の為に支えてあげようとする姿がなんとも。
5人の男兄弟の話めちゃくちゃ長いけど面白かったな…
みんと

みんとの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

根深いイタリアの南北格差がテーマの映画。
複雑性を持つアランドロンの美貌ありきの素晴らしい映画だった。


私は、「家族愛」という言葉ほど、無責任な言葉はないと思う。
血縁という関係には「家族愛」を口実に、いくらでも残酷な運命を辿ることが出来てしまうという、「たちの悪い愛」があると思う。

一番美しかったのは、ナディアとロッコが心を通わせたシーンだった。ナディアが都会で娼婦になるしかなかった哀しい運命と彼女の本質を、同じく苦悩の多い無垢なロッコの目が見抜き、「信じなさい。何でも信じればいいの。僕を信じなさい。」という言葉をかける。彼女が初めて他人に許しや癒しを与えられ、サングラスを外し涙する瞬間が本当に美しかった。このシーンは、今まで観てきた映画の中でも特に美しい人の心が通うシーンだったと思う。最初からロッコは、酷い態度だった彼女を偏見のない純粋な目でナディアを見抜いていたのも印象的だった。

ロッコはどうするべきだったのか。本作通り、家族を選んだ彼は客観的にみれば、「信じなさい。」と言って救ったナディアにひどい仕打ちをした。ナディアは神に裏切られた気分になっただろう。では、あそこでナディアを選ぶべきだったのか。駆け落ちでもするべきだったのか。そうしたら、家族を捨てたということになる。彼の一番の夢は、月と虹が美しいオリーブの国での家族の再生が夢なのに。
しかし、夢のために自己を犠牲にし続けた彼の寛容さは、結局ナディアの精神と命を、そしてシモーネの自尊心と生きる意味を奪った。この、彼の利他的と見せかけた利己的な精神を、「聖人」と片づけるのは少し奇妙なのでは。こまでくると、もはや人の気持ちを本当に理解しているとは言えない。優しすぎる人と関わって、それが本当の優しさなのか、また、本人の幸せとは何なのかと疑うという感覚を思い出した。
ロッコを通して私は、家族愛と自己犠牲精神の極致というか、歪みを感じた。

いずれにせよ、誰かを傷つけるしかなかった彼の運命の原因が、彼の優しさ、貧困、そして家族の強い絆にあったというのが、とても皮肉でやるせない。

四男チーロの、
「優しかったシモーネは都会の毒にそまったんだ。それに追い打ちをかけたのがロッコの寛容さだ。ロッコは聖人だ。なんでも許そうとする。でも世の中には許してはいけないことがあるんだ。」
「故郷も都会のように変わってしまう。」
というセリフは、ヴィスコンティの、「妥協をして社会に順応すること、家族から独立すること、間違えた人を裁くことが現代で生き抜くための術だ」、というメッセージなのか。

そして、自己犠牲の果てにいたロッコの顔写真をなで、一人で帰る五男ルーカ。
いつかは分からないけどきっとくる家族再生の希望を映したようなラストシーンが救いだった。

母が語った家を建てる時に石を投げる話のように、パロンディ家は、シモーネの犯罪、ロッコの心の傷や敗れた帰郷の夢などの、多くの「犠牲」を払って、そして切れない家族愛を背負って、命を繋ぐために日々を生きるのだろう。

う~ん、非常に美しい映画だった。
次は「山猫」みたい、、!
5兄弟。次男シモーネは堕落し、家族に迷惑をかけたが、パロンディ家の絆を強固にした存在でもある。三男ロッコの聖人ぶりに感心していたが、四男チーロの「許してはならないこともある」の一言にハッとする。家族、兄弟とは煩わしい関係だと感じる一方で、身を寄せ合い助け合う姿は羨ましくも思える。アラン・ドロンが美しすぎる。
Taul

Taulの感想・評価

3.0
『若者のすべて』イタリア南部から北部の都会に出てきた貧しい5人兄弟の家族の話。希望に満ちた新生活だが、やがて兄弟の絆が崩壊していく。素朴な若者達の表情に、人生の光と影が刻み込まれていくのを描いた見事な演出。長いので辛抱強さが必要。

2013年4月鑑賞
再見映画ですね。ヴィスコンティは、ネオリアリズムに傾倒していたので、ことさら貧乏な家族のミラノでの生活を描くが、なんとなく育ちの良さがあちこちに出てくる。ギャングたちやロッコのファッションは、だんだんかっこよくなってくる。一番可哀想なのは、娼婦のナディアだろう。ある意味ファムファタールだが殺されてるので可哀想な感じ。ボクシングシーンは不得意なのかあまりよくない。でもアラン・ドロンの裸をヴィスコンティは見たいのかやたら出てくる感じだ。ラストの殺人犯の次男を母親と三男が無かったことにしようという所は、マフィアの考えに通じている感じもしましたね。CCが余り出演シーンが無いので個人的には不満。
しのP

しのPの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

5人兄弟のお兄ちゃんから順番に、名前が画面にばしっとでて5人分時間軸にそって描かれるお話し。レザボアみたいで、いまはこいつがメインねみたいな鑑賞の仕方を促される。後半の乾杯をする場面は家族っていいねえってなる。
masa

masaの感想・評価

3.8
小説『Il ponte della Ghisolfa』の1エピソードから着想を得た作品
1955年に都会ミラノへやってきたイタリア南部の貧しい家族
貧困層の家族の苦難を描く
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