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「若者のすべて」に投稿された感想・評価

さと

さとの感想・評価

3.4
時代が違うからか家族を大切にする方向性が自分とはかなり違っていて驚いた。
昔のイタリアはこうなんだろうか。

ストーリーとしては兄弟バラバラな人生を選んでいたり価値観がみんな違っていたりするので見ていて人間ドラマ的な面白さはあったと思う。
ヴィスコンティ特集にて。ヴィスコンティ作品は『ベニスに死す』と『ルードヴィヒ』といった豪華絢爛な上流階級を描いた後期作品しか観たことがなかったが、下層階級の家族を描いた初期作品の本作はそれとは対照的な作品だった。若き日のアラン・ドロンが主人公の三男・ロッコを好演。ただの二枚目俳優ではないことがよく分かる。それにしても、次男の人でなし加減は半端ない。それをどこまでも許してしまうロッコに、良かれ悪しかれイタリア人にとって「家族」が持つ意味の大きさを感じた。
Marrison

Marrisonの感想・評価

4.5
しばれる真冬にあたたかい映画館でヨーロッパの貧乏人たちを眺める幸福。。


ちまちまと煽る音楽がどの場面でもダサ気味。各章のタイトルが章内容に合ってない。
でも、脚本には悪い点は特になかった。
しかし、娼婦ナディアをめぐる兄弟喧嘩のところからの展開は、少々グロテスク。鬼畜的次男シモーネにも、“幕之内一歩“をさらにひどくしたような過剰優等生三男ロッコにも、もちろん好感は抱けず。
四男チーロだけが正しい人。だけど、チーロ的な人ばかりだと物語にならないんだよね。。。。
そしたら終盤に、そのチーロが「善良なシモーネは都会の毒気で変わってしまった。ロッコの寛大さがそれに輪をかけた」云々と主題を丁寧に説明し直してくれた。そういう映画として、、、、しずしず受け取りおえる。

俳優の中では、出番少なかったが長男嫁(勝気だが悪気なく、やや短気ながら常識人)役のCCがハマリ役だった。
役柄が変だったせいでか美男様の魅力は私には全開じゃなかったかも。


ところで、反レアリズモ要素が一つひどすぎた。暴力描写のとこ。
「パンチ力が元々強い」ウェルター級のプロボクサーが、逆上して素手で(助走までつけて)本気の右ストレートを相手の顔面に打ち抜いたら、その一発でたぶん昏倒か殺人事件だよ。眼窩底骨折・頬骨骨折・鼻骨骨折・顎骨折・網膜剥離・眼球破裂・唇や口の中(舌も)を大きく切る・歯を複数失う……といった大怪我と後遺症は最低限必至。殴った本人だって、拳や手首の骨折の危険性大。医学的にもスポーツ力学的にも絶対そうでしょ。
何よりも自分の拳を守るために、とっさに手加減するのがボクシング経験者百人中九十九人までの本能のはずで、「性格不器用で手加減パンチが苦手」ならば蹴りや揉み合いからスタートさせなきゃね。殺し屋に遭遇した場合以外はね。手加減したならば左ジャブだよ絶対。ボディーならともかく顔面へのいきなりの右は、素人だけが繰り出すものでしょ。ありえないありえないありえない。プロだよ? 何億回何兆回もジャブの反復練習(無意識武器化)をしてきたのがプロじゃないの?!
殴られた側も、仮に奇蹟的に打撲だけで済んだとしても、正視に堪えないようなお岩さん状態は一週間以上続くはず。喋りもしばらくはフガフガになる。ガーゼ一つ貼ってハイおしまい? それのどこがレアリズモ??????????(悪い癖は後年の『家族の肖像』の傷害シーンでも繰り返された、のを知ってる。)
 
東京・阿佐ヶ谷で上映されている「ルキノ・ヴィスコンティ特集」の中の一本。
ここで上映しているデジタル修復版は、当時の上映で検閲にかかった2つのシーンも復活した3時間の大作。

いや〜、凄かった‼️
3時間なんて感じない見せつける画力と演技力。
イタリアの北部で働く長男を訪ねて南部の田舎町からやってきた母と四人の兄弟。北部の都会での生活で彼らの関係や人間性が壊れていく様を描いた作品。

とにかく観てもらわないと伝わらないが、ほつれていく糸を絡ませるような関係にこちらまで胸が締め付けられる。
若者が故に怖いもの知らず…恋や社会がいかに彼らに残酷かを突きつける!

ヴィスコンティの印象が強くて、アラン・ドロンが出ていたのを忘れていたが、やっぱり彼の美しさは男性から見ても惚れてしまうぐらいだ。
fumika

fumikaの感想・評価

3.5
ルキノヴィスコンティの代表作でイタリア=フランスの合作映画
聖人の様に清い三男ロッコ役はアランドロン

物語は順繰りに上の兄弟からその視点で話が進む体だが、その互いは曖昧に結びつけられ物語は一筋の線をたどる

この長い3時間の中で、作品は貪欲に貪欲に観る人を物語に引きずりこみ心を離さない

スポ根要素もありでシモーネやロッコのリング初戦は見応えがあった
ナディアと出逢ってからの彼らの顔つきの変化も名演技

イタリアらしく祝杯の宴の時に周りの家の人たちを大勢呼んで共に喜び合ってるシーンが素敵だった
すみこ

すみこの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ウエストサイドストーリー以来久しぶりに映画の登場人物にこんなに怒りを抱いた…
(アランドロン祭り第7作目!)

シモーネはダメ男すぎるだろ…
それに対してロッコの寛大さと言ったら…
私だったらチーロみたいに行動するなあと思いながら見ていたけれど…
あの家族には、1つのシチュエーションに対してさまざまな個人が取りうる行動が各キャラクターの形になって反映されている感じがした。

ルキノヴィスコンティ監督作品は2作目で、「ベニスに死す」の次なのだけど、おじさんの命のリアルさ加減、こちらはイタリアの貧しい家庭のリアリティが痛いくらい現実味を帯びた形で描かれていて、見ていて辛い。

ロッコ=アランドロン=ルキノヴィスコンティが大好きだった人なので、ロッコのアップの綺麗さ加減がおかしい。笑 画面が一人美しい。でもこれは本当にアランドロン会心の演技というか、演技力に脱帽。
シモーネがナディアを無理やり抱くシーンのロッコの涙にはいろんな感情が混ざっていたし、イタリア語が吹きかえられているらしいから表示とか細かいところで全てを表現している感じが全身から溢れていて、さすがでした。

ロッコが一応主人公なのだけど、一人一人にスポットライトが当たるのが良い。
ストーリーに怒りを覚えてしまったから多分繰り返しては見ないけど、アランドロンの美しさは目に焼き付けたいなあ…。
mami

mamiの感想・評価

5.0
Visconti全作品の中で、夏の嵐と共に一番好き

暗い哀しい、イタリアの南北問題を描きながらも、暗さに押し潰されない人間の強さ

Roccoを演じるドロンが、美しすぎる

陰のある繊細で優しすぎる姿、これだけで、この映画を観る価値がある
Gewalt

Gewaltの感想・評価

3.8
妄念に取り憑かれたシモーネが狂人ならば無尽の寛容を持ったロッコもまた狂人。
「家族」を無条件に肯定しようとする価値観や、ナディアの意思を一切顧みない兄弟に感情がついていかず、個人的な感情から言えば肯定しがたい作品ではある。
ただラストのチーロの台詞から、ヴィスコンティ自身はそれらを突き放して見ていることは分かる。監督の意図を推し量るに、作品の主題は人間の歪さ・不完全さを描くところにあるのだろう。
華

華の感想・評価

3.5
クズ兄貴にそこまで尽くさなくても…と思いつつ、振り回される(かつ、弱さ故に相手を貶める)三男役がアラン・ドロンなので、すごく良い。
生まれる前の映画なのだけど、もっと古い映画のように感じた。何故だ?たぶん同時期の「太陽がいっぱい」との比較からだろうと思う。

3時間はさほど長くは感じなかった。特別面白いとは思わなかったが、リマスター修復の白黒画面によるミラノの街並みの絵力が素晴らしく、悪くはなかったなぐらいの印象で観終えた。

私は家族愛の物語を敬遠しがちである。どうも駄目なんだ。家族愛を前面に押し出されると、どうしても(家族以外はどうでも良いのか)というか考えが頭をもたげ入り込めない。

人混みで子供を救う時に何人か突き飛ばしていなかったか?戦地から逃れる飛行機に家族全員乗れて良かった!殿、我が軍は勝利しました!討ち死には、たったの56人ですとか。

それなら映画なんて観なきゃいいと言われそうだが、人間は矛盾してるから勘弁してくれ。

観終わって腑に落ちないシーンの意味を知りたくてネット検索したら、この映画を深く考察してるブログをいくつか読んでいたく感心してしまった。アランドロン演じるロッコを聖人とみるか自分本位とみるかとか色々。アランドロン若いなぁと思って観てた自分は阿保だった。

そしてロッコとシモーネの関係は私もKIDS RETERNを連想しました。神様ほんとです。
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