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「若者のすべて」に投稿された感想・評価

ひ

ひの感想・評価

4.0
『若草物語』の姉妹を兄弟にして、
舞台を現代(当時)のイタリアにして、
ロマンチシズムではなくヴィスコンティ特有のリアリズムで撮ったらこうなった

って言えそうなくらい、共通点があるというか主題が似ている
兄弟愛と、恋人への愛と、自己愛は全く別物のように思えるけど、別物なんだけど、
すべてを等しく手に入れられるわけじゃないんだよね。
チーロみたいに器用にやってのけちゃう人ももちろんいるんだけど。


アラン・ドロンの圧倒的主人公なヴィジュアルが強かったです。
すごく悲しい映画イタリアの綺麗な建物とかがみれる。
兄弟が暮らしてる部屋は狭くて暗くて散らかっているけどなんか素敵に見える
アランドロンの美しさについ綺麗だな〜と口に出して言ってしまう
ずっとアンニュイな表情してるのも良かった
    原題『ロッコとその兄弟』のまんまで、ロッコに生活をぶら下がり、ロッコが自分のすべてを家族に奉仕する話。ヴィスコンティらしく救いがないです。

「聖人ロッコ。許してはならないこともすべて許してしまい、実生活では無力」と冷静な四男チーロに言われます。イタリア南部の信心深い家庭に育ち、亡くなった父親がそういう人だったのかな。『幸福なラザロ』を彷彿させます。

  イタリア南部の貧しい村から出てきた純朴な五人兄弟と母の家族に、都会ミラノの誘惑が押し寄せ、気の弱い次男シモーネがとことん欲望の沼に堕ちて行きます。それを庇い続ける三男ロッコ(アランドロン)。

    登場人物のキャラが極端で橋田壽賀子の男性版おしんみたいでした。

    アランドロンは搾取され、抵抗しない善人。シモーネにはいいところはないけど、そそのかす悪友はもっとヒドかった。さらに女性の描き方がグロテスクで、母親は感情的で抑制が効かない。恋人は娼婦で悪賢い。長男の妻はヒステリックに描かれていて、同じくヴィスコンティの『揺れる大地』でも思ったのですが、どんなに貧しくても女性は家事に徹し、働きに出かけない。そして無知で感情的で男達に頼るしか生きていけないように描かれ、働き贅沢できる女性は娼婦だったり、裕福な男性を誘惑したり、ヴィスコンティは女性に嫌悪感があったように感じました。

  イタリアの南北の格差の違いを描いたものと思われ、『揺れる大地』のように素人だけが演じたネオレアリズモとは違いますが、農奴のように搾取される貧しい南部から逃げたのに、都会にも無学で純朴な人たちを誘惑して搾取する罠があることを描いた教訓ものだと思いました。冷静な四男は学問を修め、名のある大企業の工場に勤め安定した生活を送りますが、三男のロッコは借金を返すためにボクサーとして身体を張りながら巡業に出かけます。

   貧しくてもオリーブと月と虹の美しい南の故郷を思い、故郷を歌うカンツォーネが哀しく響きます。すべてが暗く粗暴で、救いがありませんでした。アランドロンの流す涙だけが美しかったです。あの美しさを描くためだけに、世界を醜く救いがなく描いたのかもしれません。
majizi

majiziの感想・評価

4.0
原題は「ロッコとその兄弟」

イタリア南部の田舎町から未亡人である母と4人兄弟が、長男の住むミラノへやってくるところから物語は始まります。

イタリアママンの愛情深さと、貧しいながらも兄弟たちの頑張る話。
けれども都会ではそうそう、うまく話が運ぶわけもなく。

アラン・ドロンが三男ロッコを演じており、これでもかという美しさ、純粋さ、優しさを表現し、ひたむきな演技が素晴らしいです。

邦題の「若者のすべて」にはロッコと、ロッコとは対照的な脆くて弱い次男シモーネの性質が詰まっていました。

ヴィスコンティといえば貴族、バイセクシャル、ひたすら美というようなイメージがつきまといますが、彼が戦争中にイタリア共産党へ入党したりこの作品からも社会に対してある種、真面目に考えていたことがわかります。

家族だからこそ許せること、許せないこと、兄弟間の嫉妬。
初期から彼は家族というものが単なる団欒と愛情だけでないことをシビアに描いていたんですね。
とても引き込まれました。
名作です。
2021 11.16 鑑賞
三度目
イタリア映画❗️
観るたびにいいなあ❗️と………
ニーノ・ロータの音楽がぶち効果的❗️
ふるさと故郷ふるさと❗️

このレビューはネタバレを含みます

娼婦ナディアだけが「えにし」からも「きずな」からも遠いところにいる。


たしかに「あの時」ナディアは彼を抱いた。
両腕を十字架のように拡げて。
殺意も恋情も何もかもを。
背中では黒い河が、見えぬ速さで果ててゆく。


@千石三百人劇場 たぶん
滅私ロッコ。聖人は自分を守れない、現実の聖書の不可能性。戦後イタリアの奇跡的復興にはじかれ都会の片隅に散る南部一家連帯の夢。汚点どころの話ではない最悪な兄に対する無償の愛でもう涙腺崩壊です。バガボンドの清十郎じゃないけどね、本当に兄弟って不思議なもんなんですよ…どんなクズだろうが罪人だろうが、兄の腕がもがれれば自分の腕がもがれたように痛むんですよ。分かるよロッコ…あの悲痛な叫び。それが駄目だったんよってオチなんすけどね
無事

無事の感想・評価

4.3
こんなにも素晴らしい作品を今まで観ずに生きてきたのかよ自分、、って落ち込むくらいめちゃくちゃ良かった。
終盤、シモーネが家族の元に帰ってきた時の母親とのクローズアップの2ショット、泣いた。あの表情を忘れられない。
JTK

JTKの感想・評価

4.8
一部の変態や腐女子に偏愛される(笑)ヴィスコンティ作品の中にあって、この作品は誰もが心を動かされる普遍的な青春残酷映画ではないかな。

悪の権化にしてクズの兄シモーネに対して、純粋で聖人のような、あまりにも美しすぎるアラン・ドロン演じるロッコ。どちらもヴィスコンティの内なる姿に他ならない。

ロッコの慟哭は、ヴィスコンティ自身の魂の叫びなのだ。

なんてね。

ちんぽこオナニー。
chichichi

chichichiの感想・評価

4.0
第二回、母との鑑賞会に選んだのは
有名なアラン・ドロン作品!
わたしは初アラン💕& 初ルキノ・ヴィスコンティ監督。

アラン・ドロンって、「太陽がいっぱい」が有名みたいですが母が観たことないってことでこの作品をチョイスしました。
実は、イタリア社会の暗部を描いている為、時の政府によってイタリア国内でまともに上映されていなかったみたいです。

出ましたー•*¨*•.¸¸♬
またもや、母のウンチクのあらし(笑)

高校時代、「スクリーン」と「ロードショー」と言う雑誌をアラン・ドロンが多い方で買ってたとかスクラップがもうこんなにとかね(笑)
榊原郁恵さんの歌にも出て来たとか…(笑)知らないよ〜w


アラン・ドロンが当時、世界の美男子ってことに納得✨
カンヌでそりゃ、スカウトされる訳だー!
こんな人が世の中にいたなんて…

でも、作品ですけど、社会派の内容で重かった…

後から知ったのですが、当時(今もみたいです)のイタリアの南北格差を取り上げている様ですのでちょっと覚えておくといいかもしれません。劇中そんなシーンが出てくるのですが訳が分からず置いてきぼりでした…


原題は、「ロッコとその兄弟」なのですが、"若者たちのすべて"より分かりやすい様な気がしました。

南イタリアの田舎から希望を胸に北イタリアのミラノに引っ越して来た貧しい一家(母親と4人の兄弟)の栄光と兄弟愛、苦悩を描いています。
パロンディ家の5人兄弟のうち、次男シモーネと三男ロッコ(アラン・ドロン)の2人を軸に話が進むのですが…
次男のシモーネと三男のロッコは同じ娼婦の女性を愛してしまう…

イタリアの家族の絆が強いことは知ってるんだけど、マザコンに近いくらいママ、ママって母親が愛されてるんですね。ちょっと、ひいた…
ジローラモさんに会ったことあるけど
あの人もそうなのかなぁ

兎に角、次男のシモーネが、"人間のクズ"なんです!
それに対して、三男のロッコが、自分を護る術を知らない、聖人が故に、次男のシモーネを庇いすぎる悲劇…

ロッコは、ボクシング(剣闘)が嫌いなのに家族のためにリングにあがり続け、シモーネのために彼女まで…
あぁ、もう、ロッコ、その優しさはシモーネをダメにするのよ…

四男のチーロだけがホントに真面な人…
世の中には許しちゃいけないことがあるの…あなたは正しいと思う。

五男の可愛い男の子のルーカ。
チーロのこといつか分かってあげて欲しい。みんなの期待を背負って故郷に帰るのかな…

ちなみに、長男ヴィンチェは、ただひたすらに惚れた女と一緒になる事しか頭にないんですよ…

わたしの母が喜んだのが、なぜか、アラン・ドロンのボクシングの試合です。
ハンサムな顔に、ほどよい筋肉質でバランスよき。まさに、細マッチョ✨
眼福だったみたい(笑)

わたしは、軍服を着た時のスラっとしたシルエットが好きだったな♡
モノクロでも分かる輝くブルーの瞳😍

あ、作品に戻りますけど、いちばんの悲劇だったのは、娼婦のナディアだと思う。
2人の男に翻弄されて、一度は、ロッコのことを信じたのに…
兄のシモーネのことばかり庇って、身をひいて…
"俺を信じろ!"って言ったじゃない!
そりゃ、ナディアも自暴自棄になるでしょ!

3時間弱の作品でしたが、途中からテンポ良く進みシローネ、ロッコ、ナディアの三角関係にハラハラ、ドキドキさせられました。

あの河原のシーンは、もう、観ていて辛かったな…
ほんと、シモーネは、
ロクデナシ!
ロクデナシ!
ロクデナシ!
どこが善人なんだか!
そんなシーン無かったでしょ!

家族のため、兄のために身を犠牲にしたロッコは、大好きな故郷へ帰って幸せに暮らして欲しかった…

家族愛、兄弟愛の不条理を見せられた様な切なさが残りますが当時の社会派作品として観てよかったと思います。

アラン・ドロンをたっぷりと堪能しました!
ごちそうさまでした🥰
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