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エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストランのtarkunのレビュー・感想・評価

3.5
毎半年程の営業期間で、年間200万件の予約希望が殺到する 世界一予約のとれない前衛料理のレストラン「エル・ブリ」、この映画は営業の準備過程,料理創作の一部始終をオーナーシェフのフェラン・アドリアを中心に丹念に追ったドキュメンタリー。
昨今の料理番組にあるようなエンタメ性や華美な演出をこの映画に期待してはいけません。とにかくひたすらに粛々淡々と準備・創作過程を追っていて、料理をかじり興味がある人なら間違いなく驚愕のディティールがそこに映っています。
『調理』というよりは『研究・開発』、『厨房』というよりは『工房・アトリエ』、そんなギークな雰囲気漂う映像に気圧されます。
いささか『微細なディティールへの執拗なトライ&エラー』や『ほとんどパンしないカメラの視点』そして料理題材の映画でありながら『食事した客の反応が映像に無い』ことに少々座面が痛く感じる瞬間も有りましたが、日本ゆかりの食材 の登場と想像の域を超える前衛的な料理の数々に 目が驚いてしまいます。『消えるラビオリ』はその最たるもの、食べ方の発想は『しゃぶしゃぶ』から来ているそうな。
「エル・ブリ」は2011年7月にレストラン形態の営業は終了し“料理研究財団”としての活動にシフトしているので、生涯 僕がその前衛料理を口にすることは出来ないのが 残念ですが、ハリウッド版「エル・ブリ」映画が制作進行中とのことで楽しみです。
好きなこと,興味のあることへの探求に没頭したい人にはいい刺激になる映画だと思いました、オススメです。
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