FREDDY

ポッピンQのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

ポッピンQ(2016年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

それぞれに悩みを抱える5人の少女がぶつかり合い、成長していく姿を、華やかなダンスや音楽を交えて描いた、東映アニメーションが創立60周年を記念して手がけた、完全オリジナルの長編劇場版アニメーション作品ということで。印象としては、可もなく不可もなくといったところですかね。物語の舞台となる「時の谷」のデザインやキャラクターヴィジュアルには惹かれるものがありましたし、主要キャラクターらがそれぞれに心の内に秘めていた過去のしがらみと向き合い成長していく様は単純ながら面白いとは思います。本作の醍醐味であろうダンスシーンもエンターテインメント性があり、気軽に視聴のできる作品であることに間違いはないのだが、残念なことに物語に深みはなく、せっかくの設定が活かされていないのも気になるところ。陸上大会で成績が出せなかったことを悔やむ中学3年生の小湊伊純らが迷い込んだ場所は、様々な世界の時間を司る一族、"ポッピン族"が住む「時の谷」ということで、世界の時間を管理しているこの場所が危機的状況に陥れば、小湊伊純らが住む現実世界の時間が乱れてしまう。しかしながら、キャラクターらの台詞のみでこれらが説明され、時間が乱れ始めた現実世界の様子どころか「時の谷」にもさほど影響はなく、"危機感"はまったくない。そして、この場所に住むポッピン族の設定も曖昧で、"同位体"という言葉を強調しているわりに意思疎通があまりできておらず、要するに、ポッピン族は主要キャラクターらの"本心"を実体化したもので、主要キャラの声を代弁したり、彼らと向き合うことが"過去と向き合う"ことになるのでしょうが、物語がご都合主義な展開を見せるので彼らの存在や言葉の重要性に陰が。"同位体"というよりは"一方的に心を読んでいる"としか思えませんでした。本作は何も考えずに視聴することが前提となる作品ですね。オススメは難しいかと。
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