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不思議惑星キン・ザ・ザのNessのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
4.0
言うならば日常系SF映画という感じでしょうか。アメリカでは誕生し得ないであろう
類のSF。ロシアの映画はタルコフスキー監督の作品しか観たことはないけれど、この作品にも近い同じ空気感は漂っている。(もちろん、全然系統は違うけれど)

だいたいの会話を「クゥー」で済ませ、マッチ棒が異常な価値を持つ不思議な惑星の話。惑星ならではの謎のルール・価値観・言葉が多く、一見ヘンテコな人物ばかり出てくる。

惑星プリュクへと突然瞬間移動してからのロケーションはどれもかっこよくて、セットも特殊で広大だったのでとてもお金が掛かっていそう。

人種がステテコの色で決められていたり、その色によって差別がなされているのも社会風刺感たっぷり。全滅させられた惑星ハヌードや一見綺麗だが弾圧の強い惑星アルファの雰囲気もまたしかり。
そして鑑賞後に知りましたが、「エツィロップ」というのは「Police」を反対に読んでいて、警察のメタファーだそうです。びっくり。

気張らずに観るとクセになると思います。すこし尺が長いので、休憩しながらじっくり観るのがオススメです。そして、観終わってこの映画について詳しく知るとさらに好きになってしまうでしょう。
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