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わるいやつらのnsdのレビュー・感想・評価

わるいやつら(1980年製作の映画)
2.9
 松本清張×野村芳太郎で期待値が大きかった分、残念なできばえ。思うに、旅情がないとダメだと。この映画も京都東京を何往復もするし、青森ロケもあるけど、画面が切り替わった瞬間には、もう到着しているという省略ぶり。やはり、砂の器、八つ墓村、鬼畜を見てしまった後だと、どうしても見劣りするなあ。あれだけ張り込みや砂の器では旅の過程を延々と描いたのに、今作では皆無。もちろん描く主題が違うからだろうが、何というか、格調みたいなものが決定的に足りない。
 いや、確かに豪華キャストではあるが、顔見世的な出演ばかり。何であんなに緒形拳の登場を引っ張ったのか不明だし、とても弁護士には見えない渡瀬恒彦、「事件」そのままな佐分利信といい、もったいない使い方。やはり主人公の医者に魅力を感じないからだろうか。主人公が犯罪に手を染める背景もあまりにも単純で、万人の心を揺さぶるような(鬼畜や砂の器で見せたような)ものがない。テレビドラマで十分だと思いました。
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