ヘチマ

マルコヴィッチの穴のヘチマのネタバレレビュー・内容・結末

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

見終わった後の気味の悪さはピカイチ。でもすごく良い意味での気味の悪さ。これから先どうなってくんだろうって登場人物みんなの未来が気になりすぎる。とても良い終わり方。

シーンシーン独特でぶっ飛びすぎる。映像も会話も本当に笑える。それなのにどこかでもやもやした気持ちがあって、特に後半はリアルにそのもやもやが膨れ上がり、話は生死をかけた問題にまで発展する。人間の脳みその中を覗けるだけっていう設定から、人間の欲望が丸出しになった話になるというように、話の展開が想像もつかない角度で二転三転していくのは素晴らしいです。

こないだゴッホの映画を観たときにも思ったけれど、ほんと才能ってなんなんだろう。マルコヴィッチみたいに、元々なの知れた俳優が狂ったような人形劇をやると天才だ!って大人気になるのに、名の知れない人クレイグみたいな人間が同じことをしても誰1人見向きもしない。酷い世界だなあ

それから生死の話。
他人の脳みそに入って永遠に生きられても、若い身体に入れるわけでもなく老体の中に入って生きることしかできない。何よりも他人の器借りて生きたって自分はどこ?自分はなに?って話になる。それって幸せか?それでも脳みそに入りたがるおじいちゃんおばあちゃん達みんなは、ただただ生にしがみついてる哀れな人間にしか見えなかった。年老いて生にしがみつくって、やっぱり生きることが人間の根源的な欲望なのかね。
若いマクシーンとロッテは、他人の器に入るんじゃなくて、自分でいることで本当(?)の愛を見つけて幸せそうに生きてた。対照的だなって思う。
チャーリーカウフマンの脚本ってとにかく生死と人生の関わりが深い話が多い気がする。好きです。

しかしマルコヴィッチの人生悲惨すぎる
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