男やもめの孤独な白人の中年男性とシングルマザーを亡くした黒人の少年の絆を描いた晩年のジョン・カサヴェテス主演のヒューマンドラマ。監督は女神転生的ホラー「デビルスピーク」のリック・ウェストン（ギャップが凄い！）で知名度は低いですがImdbの点数は6.9と高め。

文盲の少年に字を教えたりおとぎ話をして仲良くなる、少年の父親を探すも拒否される、やがて少年が病気になって父親も彼を受け入れ、彼を家族として迎え入れることで別れが訪れる・・というこの手の作品の定番的流れですがジョンをはじめギブラン・ブラウンという子役演じる少年、そしてビリー・ディー・ウィリアムズ演じる実の父親全員の演技が繊細で魅力的だからか、二人の交流に過不足が無く且つ少年と母親を捨てた父親も単に悪役として描かずに親としての自覚を取り戻す所を描いているからなのか、ベタながら心に響く作品でした。

一旦別れる際に名残惜しさを無くす為あえて冷たく突き放したり、みにくいアヒルの子の話をした後、一人で部屋に飾った少年と一緒に組み立てたパズルの写真もじんわり来ます。

洗練されたBGMはジャズ・フュージョン系ギタリストのアール・クルーが担当。遊園地のシーンでは当時北米を席巻していたパックマンの着ぐるみが登場（笑）。

• #渋谷ツタヤのVHS

しかしまあ『デビルスピーク』の後にこれを撮るかね笑。いずれにしてもカサヴェテスの無駄づかい