櫻イミト

オペラハットの櫻イミトのレビュー・感想・評価

オペラハット(1936年製作の映画)
3.0
アカデミー賞監督賞受賞作。後にキャプラ監督作の常連となるゲイリー・クーパーとジーン・アーサーが初出演。原題は「Mr. Deeds Goes to Town, (ディーズ都会へ行く)」。邦題の”オペラハット(折り畳み式シルクハット)”は本編には登場せず意味不明だった。

遺産相続で急に大富豪となったディーズはニューヨークに出る。新聞記者ルイーズはディーズに興味を持ち、貧しい娘のふりをして彼の気を引くことに成功。”突然富を相続したシンデレラマン”として面白おかしく書き人気記事となるのだが。。。

純粋な理想主義者が世俗に打ちのめされる点では「スミス都へ行く」(1939)、女性記者が新聞で煽り立てる点では「群衆」(1941)と、両作のプロトタイプのような一本だった。大傑作の両作に比べるとシナリオのメリハリやパンチに欠ける感があった。公開当時は理想のアメリカ人を描くエポック作だったと思う。
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