オペラハットの作品情報・感想・評価

「オペラハット」に投稿された感想・評価

Ricola

Ricolaの感想・評価

3.9
突然巨額の財産相続権が舞い込んできたディーズ(ゲーリー・クーパー)。

善良な彼の財産を狙う人々と、彼を利用しようとした新聞記者、ベイブ・バネット(ジーン・アーサー)の関係と闘いを描いた作品。


勧善懲悪は観ていてすっきりするし、やっぱり好き。

あとこんなに若いゲーリー・クーパー、見たことなかったけど純真で正直者が似合う青年だった!
「オペラハット」
大富豪だった叔父の死により莫大な遺産を手に入れたディーズは、田舎からNYへとやってくる。突如富裕層の仲間入りを果たした彼の周りには彼の財産目当ての者や、社交界のパパラッチらが押し寄せる。慣れないNYで偶然知り合った女性ベイブに惹かれるディーズだったが、彼女こそ彼のゴシップを狙う記者だった。1936年、米。

だって1936年ですよー!!!
古い映画は好きだけど、30年代の映画なんてほとんど手を付けてないと思う。こんな時代にこんな素晴らしい映画が撮れるなんて、そしてこの時代にこうして鑑賞できるなんて、もうただただ感無量です。うれしい。

キャプラスクの世界の始まりでしょうか。ゲイリー・クーパーとジーン・アーサーのラブストーリーなんですが、「人のあたたかさ」を感じて観たあとにはほっと気持ちを落ち着かせてくれる。
これが「スミス、都へ行く」につながる。後半のくだりはまさにそれ。「スミス〜」ほどの力強さ、泥臭さはないけれど、信じる者に訴える真摯さが伝わる。「オペラハット」の原題は「Mr.deeds goes to town」だし、「スミス、都へ行く」はそのまま「Mr.smith goes to Washington」です。どうせならtownでなくNew Yorkがいいとこだけどね。

ベイブは仕事のため(その仕事ぶりに対する評価のため)にディーズに近づくが、都会にはいない彼の人の良さ、純粋さにしだいに惹かれていく。
キャプラの映画でとにかく心洗われるのはこういうところ。現代では忘れ去られている、失いかけている心の美しさを見せつけられる。
最初はそういったマイナーを、汚れたメジャーが馬鹿にする。丸め込まれそうになるものの、最後には正義が勝つと言わんばかりにどんでん返しをして幸せとは何かを教えてくれる(ネタバレごめんなさい)。
心をずたずたにされ、裁判で何も弁解しないディーズに、傍聴していたベイブが突然証言台にのぼる。自分を弁護する発言にも心の揺れないディーズだったけれど、告発者のシダーからの売り言葉に買い言葉で、ベイブは思わずディーズを愛していることを告白してしまう。そこでディーズは目が覚める。このままではいけない、自分は正当な人間だと主張しなければ、と。

その例の後半、法廷シーンなんですが、私の大好きな「34丁目の奇蹟」のように進むんですね。告発者は被告に恨みがあって、精神異常を主張する。でも被告に親しみを抱く傍聴者たちが味方になってくれる。ラスト私も混ざりて〜ってなる。
そして、ちゃんちゃん♪って〆る手前のロマンスがまたクラシックムービーらしい〆でいいんだよね。
ひけた

ひけたの感想・評価

3.9
スミス都に行くと似ている

フランクキャプラの映画

あったまる
田舎で平和に暮らしていた純朴青年が、億万長者の叔父の遺産を相続するために都会に出てきて金目当ての取り巻きの陰謀に巻き込まれていく。「スミス都へ行く」と同じ構造のストーリーだが、主演がゲーリー・クーパーで、割とハードボイルドなイケメンになっている。かっこいいけど、極端なやつで結構イライラする。しかし、フランク・キャプラって司法や議会のような制度を信じてないんだろうな。邸宅のオペラの展開とか中途半端で全体に雑な印象だったな。
2017.11.25 DVD(字幕)
kyon

kyonの感想・評価

3.5
本日はキャプラの『オペラ・ハット』。

田舎町の青年ディーンは突然巨万の富を遺産相続することになり、都会へ。
しかし都会には、彼の遺産を目当てに色々な思惑や誘惑が潜んでいる。その誘惑の1つが新聞社の花形記者のベネットによるハニー・トラップなのだが、女性と付き合った経験のないディーンは彼女に惚れ込んでしまう…。

というね、ああ、青年よ…となる始まり笑
その始まりから、事態は二転も三転もして、裁判沙汰になるのはキャプラっぽい。
善人が窮地に追い込まれてからの復活劇、勧善懲悪ではないけれど、『スミス、都へ行く』の前兆しかない。
田舎と都会の関係性もありそう。


若いゲイリー・クーパーがディーンを演じているんだけど、お美しい…、『モロッコ』から5〜6年して、良い年の取り方を…やっぱり体格が良いから、スーツがキマリますね。

ただディーンが善人設定なのはわかるんだけど、ちょっとどこか短気な雰囲気だったり、結構ボコッと一発くらわせたりしている感じがいわゆる典型的な当時の善人像だったのか気になる…。少なからず現代からしたらちょっと荒っぽいところもあるよなぁ、と。

面白かったのはベネットの描かれ方!新聞記者、っていくつかの作品でも見るから、女性が社会進出した中で就ける職業の1つだったんだなぁと思いつつ、キャプラ作品は女性が良い意味で強い気がする。情に厚い男性を支える女性の姿が後ろから、ってよりは横で、あるいは前から引っ張っていく感じ。

それとベネットがハニー・トラップ的な、自分の女性性を利用して自分の為に行動を起こす姿がなんだろう、良かった、自覚的で。
男性と平等を目指している途中のこの時代に、あえて自らの性を認めてからそれを自覚的に用いる部分にある種の映画における娼婦性を感じる。

ただベネットは新聞記者だから、他のレディと同様に帽子を被ってる。帽子もやっぱり記号だよね。

30年代特有のハイキーがベネットをキラキラに輝かせ、クーパーの美しさもより増量。笑

キャプラの傑作、『素晴らしき哉、人生!』までの伏線を拾い上げていく作業のよう。
積み重ねて、この傑作を生んだんだから、その積み重ねを観るのも面白いね。
pier

pierの感想・評価

4.6
誠実だけど垢抜けない役柄がクーパーにもってこいでした。
やっぱりキャプラ。
初フランクキャプラ。
若きクーパー、イケメンだ〜。

最後の畳み掛けが最高に気持ちよかったな、
邦題も的外れでなく洒落っ気ある。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

4.0
2015/5/28鑑賞(鑑賞メーターより転載)
鑑賞メーターも8年積み重ねて3000本の大台突破!ということで記念に敬愛するフランク・キャプラの映画でまだ観てなかったこの作品を鑑賞。突然遺産を相続して大金持ちになる事になった一人の男が都会へとやってくることでの騒動を描くが、極めて正直で感性豊かな主人公が下世話な方向に走らずに自分を貫き通すさま、そして世間の目にさらされて窮地に...というところからのスカッとする結末への鮮やかな切り返しも含め、頑固なまでに変わらないキャプラの前向きな人間賛歌の描写はこの映画でも全くブレがない。安心して観られる一本。
ゲーリークーパー目当てで見たけど、もっとクールで冷たい役柄の方が好きかな。好みの問題。。
Rinko

Rinkoの感想・評価

3.5
長いものに巻かれたり、欲が出たり、ついついしてしまうけれど、公平さや思いやりを忘れてはいけない。
掴んだチャンスをみんなのために使える、勇気と偉大さ。
キャプラさんの映画は説教くさいけど、生きていく上で大切なことを考えさせられる。
正直でうつわの大きな人間になりたいものです…
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