木蘭

エッチの国のアリスの木蘭のレビュー・感想・評価

エッチの国のアリス(1976年製作の映画)
4.0
 自意識過剰で性に臆病な図書館の司書アリスが、鏡の中の不思議の国に迷い込み、歌って踊って時々エッチな事をして、性に目覚めた大人になる・・・というミュージカルコメディ。

 これは楽しい!
 歌も踊りもチャンとしているし、『スタートレック』の異星人か!?という様なポンコツでチープな衣装も一周回って味わい深い。まるで前衛芸術を観ている様。
 ベタなお色気ギャグも屈託無く全力で演じられると清々しいし、出てくるキャラクターが基本的に純朴で善人なのも良いね。

 王様に「君は他人の話を聞いてばかりなんじゃない?」と問われて、「自分を信じるのが大人」とアリスが目覚める所は、感動的ですらあるよ。

 時事問題を織り込んで映し出した現代性の強いハリウッド映画のアメコミ超大作や、インディペンデント映画ばかりの昨今・・・僕らが期待するアメリカ映画って、こういう作品なんじゃないの?って思っちゃいました。

 日本盤DVDはソフトコア版で、ハードコア・フッテージをカットしたり、挿入していないのだが、ソフトコア版の方がテンポが良いしお薦め。
木蘭

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