いかえもん

ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門のいかえもんのレビュー・感想・評価

3.4
タイトルに「ジャッキーチェンの」とついてあることがすでに怪しさとB級感を醸し出してるんですが、ほんとにそうで、ジャッキーは脇役やないかーい!とツッコミが入ります。でも、サモハンも出てて、ユンピョウもちょっと出てる。そして監督はジョン・ウー!これ、なんか、すごくないですか?

と、まあ、出ている面々はすごいんですが、これに対する主役がすごく、すごーく、華がない!これがもう致命的。顔も地味だし、筋肉の付き具合もいまいちだし、カンフーのスピードもなんだかなぁ。最初の方で出てくる指体操(と私が勝手に呼んでいる)も笑えた。ただ、足技はなかなか高くまで足が上がってきれいでした。
でもまあ、この映画の見どころって、今となってはそこではなくて、後にスーパースターになる豪華メンバーが、まだ全然スターになる前の映画だってことだと思います。

笑えるのは、サモハンが出っ歯の入れ歯をしてるんですけど、その演出は、なんで???ってなるんですよ。フレディかよ!っていうくらい出っ歯なんだけど、最後まで見ても出っ歯である必要どこにあった?って思う。
友人は、「サモハンは華がありすぎるから、出っ歯にすることでその華を隠そうとしているんや」と言ってましたが、「いや、むしろ歯が主役を食ってしまってますけど。」と言い返しておきました。

それと、私、この映画観て初めて知ったんですけど、ジャッキーって整形してたんだねー。最初ほんとにこれジャッキー?と思うくらいでした。でもどこが違うって目が一重なだけなんだと思うんだけど、こんなに変わるもんなんだなぁ。もちろん整形後の方がとってもキュートです。しかし、ジャッキーとサモハンのアクションはやっぱり映画の中でもずば抜けてて、動きのキレのよさとかスピード感とか全然違う。特に今回は、正統派の槍を使ったカンフーが見られたところがすごく楽しめた。
因みに、ユンピョウはびっくりするくらいのチョイ役で、すぐ死んでました。カンフーシーン全くなしでした。

そして、ジョンウー監督だけど、当たり前ですがカンフー映画なんで、二丁拳銃は出てこないし、鳩も出てきません。スローモーションはちょっとある。ジョンウー自身も出てるらしいんだけど、顏をよく知らないので、どこに出てたのか私はわからなかったです。
あと、監督に言いたいことがあるとしたら、あのベッドシーンはいらんでしょ、ということかな。なぜ、突如こんないやらしい映像が入ってくるのか、そこもさっぱりわからんかった。

そんなわけで、映画自体はそんなに面白いわけじゃないんだけど、なんかスターになる人ってやっぱり違うもんだなぁと、納得する映画で、それなりに楽しめました。そして、タイトルに「ジャッキーチェンの」が付いてなかったらやっぱり見ることはなかったと思うので、この邦題は成功したなと思う。