こぅ

惨劇の波止場のこぅのレビュー・感想・評価

惨劇の波止場(1930年製作の映画)
3.9
水は血よりも濃い、、ケースもある‼︎

ジョージ・W・ヒル監督による、【人情・ドラマ】。

ホラー、スリラー以外で、惨劇 を用いるのは珍しい。
 
海辺の宿屋を営む女主人、ミン(マリー・ドレスラー*)は、幼い頃から養女、ナンシー(ドロシー・ジョーダン)を育てていた…。

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ミンとナンシーのメインドラマなのに、
原題は、何故か?ミンとビル。

冒頭、波止場に着いた漁船。
下宿人、ビル(ウォーレス・ビアリー)を探すミン。
恰幅よく、口の悪い、男顔のミン。
家に住まわしているのは、母親が亡くなって捨てられたナンシーで、生後6ヶ月から実の娘のように厳しくも育ててきた。

悪い虫がつかないように、言い寄るナンパ男を追っ払うミン。
その延長で、ナンシーと乗るモーターボートが暴走(早回し)するシークエンスは、前半の目玉だ。
その時のミンの形相が見どころ⁈

「若い子には学校教育が必要だ」
ナンシーを学校に通わせる事にする。
ナンシーは、ミンと離れたくない、、
ミンは、ナンシーの為にお金を密かに貯めていた、、

前半は、横暴なミンの紹介的内容で、多少お遊びも有るが、
後半、ベラ(マージョリー・ランボー)が現れてからが、シリアス本題であろう。

ベラとビルが仲良しで、ヤキモチを妬いて暴れるミン。

ミンは、ベラとナンシーを絶対会わせる訳にはいかなかった、、

2年後、大人になったナンシーは、婚約者を連れて戻って来る。

ベラと口論した末にミンは、、
このドドっ‼︎と迫る演出の説得力‼︎



ナンシーの晴れ姿、
ラストに見せるミンの心情と表情は、、

プロット自体、シンプルで 奇を衒う ような事も起こらないが、簡潔に纏め上げている。


*注記
ミン役のカナダ人、マリー・ドレスラー(62)が、史上最強⁈のおばさんを熱演、キョーレツなインパクトを残して、アカデミー賞 主演女優賞を受賞。
こぅ

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