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ナポレオン・ダイナマイト/バス男のamokのレビュー・感想・評価

4.3
先日、アメリカのミュージシャンBECKのショーを観て、全身に電気が流れるという体験をした。

ドラクエだったら画面が黄色くなって、レベル表示がまひになっているに違いない。
そんな体験だった。

そして、友人にBECKと『ナポレオン・ダイナマイト』の世界観は一緒だと教えられ、この映画を手に取った。

邦題は『バス男』

バスは冒頭に1回出てくるだけ。
日本でのビデオ発売当時に流行っていた『電車男』にあやかって『バス男』になったらしい。

なんとも残念すぎるタイトルがつけられてしまった、可哀想な映画だ。

内容は、アメリカの田舎に住む、ダサすぎる青年の友情や恋愛をコミカルに描いた青春映画。

Tシャツをズボンにin、分厚くでかいメガネ、なよっとした動き。

一昔前に、オタクと言われれば、誰の頭にも思い浮かんだであろうあの姿。

ステレオタイプなオタクくんが、シュール過ぎる笑いを届けてくれる。

特に、真ん中に一本立ったポールにヒモで括り付けられたボールを弾く謎の競技は必見!

主人公のナポレオン・ダイナマイトが、この競技をひたすらプレーしてるのだが、彼が上手いのかどうか分からない。それを見る僕。この状況が僕の脳を、何とも、なんともな感覚へと誘う。

とにかく、このシュールは死ぬまでに体験したいことリストに入れるべきだ!
今すぐあなたのToDoリストアプリを立ち上げて、タスク化するんだ!
いつやるの? 今でしょ! って、ヤツだ!

その暁には、冴えないオタクくんが最後にぶちかます、あの名シーンを拝める!
ジャミロクワイの曲にのせたあの名シーンを!

(BECKもこのビデオ教材を購入して、ダンスの練習をすべきだ)

このシーンの、
この爽快感は凄い! このカタルシスは凄い!
…いや嘘、爽快感なんてな、いか…も…
キレッキレだけど、ここもシュールだ…
いやでも、確かに爽快感のようなものを感じる…この感覚はなんだろう?

とにもかくにも、一部ではカルト的な人気の映画らしいので、映画好きを豪語するあなたは、一度見ておくべき作品かと思われる。

オープニングの手作りクレジットにも感動するはず!
なんせ、僕が心の底から愛してやまない WHITE STRIPES の “We're Going To Be Friends” が BGM で流れるのだから。
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