古代兵器を再起動させた魔導師の軍勢に抗うべく、異部族の勇敢な男女がパーティを編成する。テクノロジーが一巡した未来世界を描いている、アニメーション作品。

本作に登場する古代兵器とは、人類の最終戦争にて使用された各種兵器のこと。それら旧文明の兵器を手中にした魔導師が、野心と支配欲の昂りに見舞われてしまい、妖精の国へと侵攻を開始する。

魔法の世界に銃器類が持ち込まれてしまうという、センス・オブ・ワンダーが逐一面白い。デフォルメ化されたキャラが血みどろの戦いを繰り広げ、あっさりと死んでいくところもインパクト絶大。

戦争哲学に喘ぎ続ける人間の「脳みその不思議」、ひいては「所詮、人間なんて、こんなものだよねー」という、突き放した俯瞰視点を楽しむための作品。反戦メッセージ云々とは、別次元のように感じられる。

ナチスのプロパガンダなどを寓話的に描きつつも、この作品自体も別のプロパガンダと捉えることができると思うので、なんとも言えない...。

文化的には価値があるとは思うけど、ファンタジーとしては直接的過ぎる演出が多く、作品としてグッとくるところはあまり無かった。