鰹よろし

レストストップ2 ドント・ルック・バックの鰹よろしのネタバレレビュー・内容・結末

2.4

このレビューはネタバレを含みます

 前作で猛威を振るった黄色いトラックの運転手のルーツが明らかになる。原因が判明したところで後は解決を待つのみかと思いきや、その一方で一向に定まらない生と死の境界線。この終始付きまとうあやふやで曖昧な世界観を楽しむ。


 確実に死んだと確定したにも関わらずトラック野郎は前作の様にぼやけても黒焦げでも無くはっきりと姿を現したり、前作で死んだとされていた2人も姿を現し堂々と捜索に来た3人と接触する。ガソスタのおっちゃんはトラック野郎とも狂乱家族とも交流がある様で・・・ いったい誰が生きていて誰が死んでいるのか・・・

 前作と今作でトラック野郎の餌食となった死で贖うほどでもないんではないか?と疑問が生じる罪を背負った被害者たちが罪を清め?死して尚苦しんでいるのに対し、トラック野郎を生み出しまた彼の被害者となった諸悪の根源である家族は死して尚どこか楽し気で幸せそうに見える。

 前作舞台となった休憩所から亡霊たちが作用する世界の範囲を拡大し、新キャラと既存のキャラを掘り下げることで作品に奥行きが生まれたとし、前作にも益してすばらしい作品となったと製作者が息巻いていたが・・・

 原因を明確にした一方で一向に拭えない疑問や、いやむしろ謎が増えたんじゃないかとさえ思わせる矛盾を孕んだ明確な線引きを行わせない混沌とした世界観は、作品に深みをもたらしたというより逆にとっちらかってしまった印象を強く覚える。

 前作の主人公ニコールの演者が変わっているが、その変化を胸のボリュームで感じさせてしまったのもナンセンスだった・・・
鰹よろし

鰹よろし