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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生のtetsuのレビュー・感想・評価

3.5
以前、今作の続編「ゾンビ」を観てから、ずっと観たいと思っており、この度、念願の鑑賞!笑

墓参りにやってきた兄妹、
彼らは、そこで突如として現れた"ゾンビ"に襲われてしまう。
命からがら必死に逃げ延びた妹は、兄を救えなかった後悔と 先の見えない不安に苛まれるが、なんとか近くの民家に避難、
同じくゾンビから逃げてきた黒人青年に遭遇する...。

前回「ゾンビ」を鑑賞した際、
"何故ゾンビが誕生したのか"
という点が気になっていたので、その点が少し明かされていて良かったです。

「ゾンビ」では、ショッピングモールが舞台となり、今作より拡張した密室が舞台になるわけですが、逆に民家で閉じ込められる設定は、その原点として面白かったです!

また、今作には「ゾンビ」同様、社会を知るための一つのメディアとして、"TV"が登場しますが、大学でメディア専攻に所属している自分としては、とても興味深い要素でした!
自然災害や国際問題など、今まで起きたことのある事態ならいいですが、ゾンビの誕生の様な未曾有の事態がもし起きてしまったら(もちろん、ゾンビは極端ですが...。笑)、正しい情報を正確に伝える番組はいくつあるのかと考えるとゾッとしますね...。

ところで、
今作は「ゾンビ」比べると笑えるシーンがほとんどなく、陰湿とした世界観なので、ラストの爽快感などは皆無でした。
なので、もしかすると、
「ゾンビ」から期待して見直した方には、納得のいかない方もいるかもしれません。

しかし、そういう点は、つい最近に観た「ミスト」との類似点も多々あり、特に"人間の愚かさ"という作品の根本的なテーマに関しては、両作品共通して描かれていたので、僕は興味深かったです!

ちなみに、共通点と言えば、
"火"というものもどちらにも登場している重要な要素でしたが、今作の設定"ゾンビが火に弱く、火からは逃げていく"という点には、どこか"人類が火を手にしたことで生態系を支配した"という広く知られる人類史の仮説にも通ずるものがあるように感じました。

というわけで、「ゾンビ」とは180度違うダークなラストに覚悟しつつ、途中に登場する「進撃の巨人」のような裸のゾンビにも注目して観ていただきたい、元祖ホラー映画でした!!

p.s
この作品、動画配信サービスなどで色々と探したのですが、英語の字幕なし版などしか見つからず、結局、TSUTAYAでお取り寄せをさせていただきました。
その際、どうやら、この作品に「...最終版」なるものがあるということに気づいたのですが、この作品はどうやら監督の意向とは別に編集された全くの別バージョンであるようなので、今作を観ようと思っている方は間違えないようお気をつけください!
(ちなみに、Amazonプライムには英語版があるので、もし、英語が分かる方なら、そちらがオススメです!!)
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