このレビューはネタバレを含みます
ロバート・デ・ニーロと言えば、マフィアのボス、狂気に満ちた人物、コメディもこなす、改めて言うまでもない、幅広く、かつ素晴らしい演技が出来る稀有な役者です。
今回のデ・ニーロは、優しく、妻を亡くしたばかりということもあり、ちょっと寂しいお爺ちゃんの役。
私的には見たことのない役のデ・ニーロなのですが、デ・ニーロを中心に独立して別々の生活を始めている4人の子どもたちとの話。
タイトルは「みんな元気」なんですが、ホントは「空元気」であり、それぞれが言えない事情を抱えています。
感謝祭に集まれなかった子どもたちのもとへ、アポ無しでデ・ニーロが訪れるところから物語が進みます。
連絡が着かない子、思うように仕事が上手くいっていない子、家庭内に問題を抱えている子、女性と一緒に生活している子、そして何よりもデ・ニーロ自身が病気を抱えています。
それぞれが、それぞれへの愛情故に隠し事をしている訳です。
デ・ニーロは既にリタイアしていますが、彼がこれまでしてきた仕事の内容が、ラストで見事なくらいに回収されます。
デ・ニーロで泣くとは、ある意味自分が一番驚いてるのですが、変に間延びすること無く、物語に入り込んだままで素晴らしい終わり方を迎えられる素敵な作品でした。
