そりお

キミとボクの距離のそりおのネタバレレビュー・内容・結末

キミとボクの距離(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

一言で説明すると…
火星で生まれ育った青年が地球に降り立ち愛を知る話。あるいは望んだものに受け入れられない辛さを描いた話。

起…
火星に降り立った宇宙飛行士が出産と共に命を落とす。そして16年が経過する。
承…
火星で生まれ育った青年が父を探すため地球に降り立つ。そして地球の女性と恋に落ちる。
転…
探していた父は実は叔父だった。さらには身体が地球の重力を耐えきれず死亡寸前に。
結…
なんとか一命を取り留めるも故郷である火星に戻ることに。地球と火星の遠距離恋愛になるものの2人は自分を受け入れてくれるものを手にする。
印象に残ったセリフ…
 
どうして面白いのか…
・SFゆえの見たことない設定=目新しさ+設定
・火星が故郷ゆえの規格外な主人公
=キャラ
・世界の美しさ、地球の素晴らしさを再認識させてくれる=再認識+再発見
・世界を憎むヒロインと世界を愛する主人公のロマンス=ロマンス
・父だと思っていた人が叔父だった
=意外性
個人的ハイライト
・青年が火星で地球に行った時のデートの予行練習をしているシーン。境遇から何が自然で何が不自然かも分からない青年が、少女マンガの男を真似する人と重なって面白かった。
・火星が故郷でそこから地球に行くなんていうのは誰にも共感できないだろうけどその青年になったつもりでみると地球は人も天候も環境もあらゆる面で可能性に溢れた星なんだろうなと思った。
・主人公の欲求(地球で暮らしたい、父親に会いたい、自由になりたい)と価値観(地球は素晴らしい場所だという考え)と能力(科学者たちの中で育ったから理系的なこと全般の知識が豊富)がハッキリしてて見やすい
・挿入歌が良い
・ヒロインの里親問題もラストでしっかり解決しサブストーリーやサブキャラの扱いも丁寧。
・父だと思っていた人物が叔父というのは予想できなかった。やっぱりミスリードはテンプレによって発生させられるんだと思う。
・主人公の火星育ちゆえの他者に自分の行動が及ぼす影響を考えず動くところや素直さが面白く描かれてて良かった。←ドジっぽさ、間抜けなところがあるとキャラを好きになるのかもしれない。
・地球に生きてたら当たり前のことを新鮮に楽しむ主人公が日々の美しさを再認識させてくれて良かった。
・主人公が出会う人々に地球で1番好きなものは?と訊くところ。質問された方も、した主人公も良さが引き出されるから質問でキャラを立たせるのはアリだなと思った。
・最後のナレーションの「地球では火星を夢見て火星では地球を夢見てる」って言葉が恋人みたいだなと思った。会えないときに会ってるときのことを考えて会ってるときに会えないときのことを考えるみたいなところが。
・望むものから受け入れられない辛さという普遍的なテーマを扱ってるから共感もできて面白かった。
そりお

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