ドン・シーゲル監督作。
アクション映画の巨匠ドン・シーゲルの遺作となった日本劇場未公開のクライムコメディで、ベット・ミドラーが一攫千金を狙うヒロインを好演します。
カジノディーラーのウィリーは、ブラックジャックを専門とするプロのギャンブラー：ハロルドに負け続け、“ハロルドには勝てない”というジンクスを抱えていたが、そんな中、ハロルドの恋人であるボニータから25万ドルの保険金を手に入れるためハロルドを殺害する計画を持ち掛けられたウィリーは悩んだ末にボニータと共謀してハロルド殺害を実行に移すが…というクライムコメディとなっています。
カジノを主戦場としたギャンブル映画ではなく、金目当てで一致団結した男女が繰り広げる殺人騒動と恋のゆくえを描いた作品で、ハロルドが遺した手紙に書かれた人物を順番に訪ねて行ってギャンブル攻略の秘密を解き明かしていく後半の謎解きがユニークなエッセンスとなっていますし、ネバダ州リノの煌びやかなカジノ街の情景も雰囲気がよく出ています。
『ローズ』(1979)で一躍注目を浴びたばかりのベット・ミドラーがカジノ界隈で逞しく生きるヒロインを好演していて、劇中自慢の歌唱も披露しています。
