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『戦火の傷跡』に投稿された感想・評価

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サミュエル・フラー監督特集
1959年アメリカ作品

第二次世界大戦末期の1945年春。
終戦直前のドイツのある街。
米軍のある小隊がナチスドイツ兵を掃討する為、戦っていた。
1人の敵に2名の味方がやられ、なんとか敵を倒した主人公だが、自らも負傷してしまう。
そこでドイツの娘に助けられ敵から匿われる。娘は、ナチスと市民のドイツ人は違うと証明するために助けたという。
終戦後、主人公は米軍を退役し、米国軍事政府(AMG)職員として現地に残りドイツ娘と結婚するが・・・

ドイツ敗戦後の市民の荒廃した街中の暮らしが描かれるが、食料、医薬品の不足とナチス戦争犯罪人の摘発、また戦犯の逃亡を助けるネオナチ組織(人狼部隊)の暗躍も描かれる。
人狼はアメリカ軍の補給品倉庫や列車、トラックを襲い米兵まで襲い、米軍を国内から追い出すことを目的に活動する。
後半はニュルンベルク軍事裁判を傍聴するドイツ娘と弟がナチスの戦争犯罪の証拠映画を観て絶句するところも描かれる。

終戦直後のドイツ国内を描いた作品は珍しく、ナチスの戦争犯罪と一般のドイツ市民は違うことを描いたフラー監督の視点は素晴らしい。
機会あれば観て欲しい作品。
サミュエル・フラー監督が構想8年の末に完成させた異色戦争ドラマ。アメリカ兵とドイツ人女性の禁断の結婚を描く。原題「Verboten!(禁止!)」。日本公開当時の邦題「禁じられた恋」。

第二次世界大戦末期のドイツ戦線。負傷した米兵ブレントは、ドイツ人女性ヘルガの自宅に保護される。「ナチスとドイツ人を一緒にしてほしくなかったから」と語る彼女は、病の母と米軍の爆撃で片腕を失った弟フランツと暮らしていた。ドイツ軍の偵察から隠れる日々を越え、ついに戦争が終わり町は米軍が占領。ブレントは周囲の反対に構わずヘルガに結婚を申し込み、占領軍の配給係としてドイツで暮らすことを決意する。その頃、ヘルガの友人ブルーノ(トム・ピットマン)が町へ帰郷し密かにナチス再興を目指す地下組織“人狼”を結成、弟フランツもこれに参加する。やがて食料不足が発生しドイツ町民の不満の標的となった配給係のブラントは、妻ヘルガとも衝突してしまう。。。

すごく面白かった。テーマは「ナチスとドイツ人は同じなのか?」。マイノリティへの偏見と差別を次々と問うてきたフラー監督が、本作では戦後ドイツへの“ナチスの国”という偏見レッテルに対峙する。

いかにも低予算の作りで戦闘シーンの殆どはニュース映像の使い回しだが、そんなのは細かい事だとばかりにテーマを描くべく邁進する演出の勢いに興奮した。冒頭からベートーヴェン第九「運命」が鳴り響き、続いてポール・アンカによる主題歌「Verboten!/禁じられた恋」(1959)にタイトルクレジットが乗る。監督によれば劇伴にドイツの大作曲家を使用することは前提だったとのこと。ドイツ人を表すときはベートーヴェン、ナチスを表すときはワーグナー。「ワルキューレの騎行」が劇伴に使用されたのは以前の映画に思い当たらず、本作が初めてかもしれない。

同監督の「チャイナ・ゲイト」(1957)では異人種間恋愛が描かれたが、本作の旧敵国間恋愛も偽善を排し厳しい困難を描き出している。ヘルガの結婚承諾には生存への打算があったことを戦時中庶民の切実な本音として提示。米軍の爆撃によって片手を失った弟の姿は加害者としてのアメリカを象徴。ナチス再興に走る弟を食い止めたのは、姉ヘルガと共に足を運んだニュルンベルク裁判(1945)の傍聴だった。証拠フィルムとしてホロコーストの惨状がスクリーン投影され、弟は自国の犯した大罪を初めて知り衝撃を受ける。

本作で挿入されたこの本物の証拠フィルムの出所は、フラー監督の知人が同裁判で隠し撮りしていたもの。フラー監督はその存在を知った時から本作の構想を練り始めたのだろう。

演出にも見どころが多かった。中でも、結婚を決めたヘルガの元をアメリカ人主人公が嬉々として去り、同一画面でヘルガの元を疲弊したドイツ帰還兵が訪ねるカットが秀逸。舞台的な演出ではあるが、エルザの内にある二つのエモーションが一発で伝わり、これが最適解なのだと納得させられた。

ドイツが舞台の本作は当時アメリカでは受けず今も埋もれた存在となっているが、「大人は判ってくれない」(1959)で監督デビューしたばかりのトリュフォーが、同年の映画ベストテンに本作を挙げている。個人的にはフラー監督作中でマイベスト級に好みな一本。

※ナチス再興を目指すブルーノ役を演じたトム・ピットマンは、撮了直後に事故死した。享年26歳。

※フラー監督はラジオ・アナウンサー役でカメオ出演
mo
3.8
フラーが映したかった本当のこと