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少林寺列伝のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

少林寺列伝(1976年製作の映画)
3.6
キン・フー監督と並ぶ武侠映画の巨匠チャン・チェ監督作の原題『少林寺』。ジェット・リー主演のそれよりも前に制作されたショウ・ブラザーズ少林寺映画で、物語は「寺で修行する若者たちが強くなって宿敵と戦う」この手の映画のド定番。

修行する若者たちは、鎖に繋がれて大鍋で粥を炊く修行をこなす者、大量の尖った岩の上に敷いてある経典を破らずに足で踏み移動する者、師匠の見てないところで修行をズルして楽する者など様々。

『グリーン・ディスティニー』やキン・フー監督一連の武侠映画などでよく目にする宙をピョンピョン跳ねる妙技「軽功」の修行風景も出てきて、片足15kg合わせて30kgの重りを脚に装着してひたすらジャンプするという現代スポーツ科学では確実に膝を痛めるであろう酷な練習法で、あら不思議!何ということでしょう!驚異のジャンプ力が身に付きます。

俗世を遮断した少林寺から外の世界に出て行く時は、ジャッキー映画『少林寺木人拳』でお馴染みの「木人巷審査」が待っている。ただしこっちの木人はあからさまに中に人が入ってるタイプの木人ではなく、ちょっとした仕掛けのある大木がクルクル回るタイプのやつ。

他には、これまたジャッキー映画『拳精』で一般的に知られるようになった龍・鶴・虎・蛇・豹の「五獣の拳」を習得する修行僧もいる。『拳精』を見てた頃からいつも思ってたんだけど「五獣の拳」の虎と豹って同じネコ科の猛獣カブりだから別の動物の型を取り入れればいいのにね。

そして寺で修行する連中の1人がお待たせしました哀愁の三番手役者ティ・ロン登場です。桃白白のようなオールバック辮髪に口髭のいで立ちで、この映画においては主役級ではないものの「詠春拳」の使い手として不自然に枝が伸びてる天然の木人樁で修行しています。「詠春拳」といえばあのブルース・リーがイップ・マン師匠から学んでいた流派。ティ・ロンもちゃっかり習得していたのでした。