FREDDY

終の信託のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

終の信託(2012年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

川崎協同病院事件を題材とした、朔立木原作の小説を映画化した本作なのだが、思っていたものと違う印象の内容だったので、少々戸惑ってしまいましたね。川崎協同病院事件が題材との事だったので、尊厳死や安楽死、延命治療や終末期医療などといったものを考えさせられる、人の"生死"に重きを置いたヒューマン・サスペンスかと思いきや、まさかの恋愛映画となっており、本作の主人公である、草刈民代が演じる女医の折井綾乃は物事の判別が出来ない人物として冒頭から描かれているので、役所広司が演じる重症患者の江木秦三に最期の選択を託されようとも、それが「医療」か「殺人」なのかを後半に十分な時間を割いて討論されようとも、迷わず思うことは "情状酌量の余地はない"。折井綾乃と江木秦三を深く結びつけるきっかけに恋愛を用いたことは良しとしても、「医療」と「殺人」を天秤にかけるならば被疑者はクリーンな人物であって欲しいですし、不倫や自殺未遂というアイテムを使用しても現在ではなく"遠い過去"のエピソードとして紡ぐくらいが丁度良かったのではないでしょうかね。これでは視聴者が考える前に答えを突きつけられてる印象でしかないですし、被疑者側の言い分が全く耳に届いてこない。残念としか言いようがないですね。
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