囚人13号

深夜復讐便の囚人13号のレビュー・感想・評価

深夜復讐便(1949年製作の映画)
3.8
犯罪映画だろうし、ファム・ファタールらしき女も出てくるのだが従来の破滅型物語ではなく復讐劇なので、この主人公が裏世界でやっていけるとはとても思えない。暗黒街のボスに根拠もなくいきり立つキャラクターは映画への貢献度は高いが必ず死ぬので。

例によってラブシーンの演出はやはり壊滅的で、まあ咀嚼キスやら身体○×ゲームなど勘弁してほしいが、欲でヒロインが入れ替わる展開は流石だなと。

『恐怖の報酬』と同じく物質化された財産をトラックで運んでいき、それが何とも呆気なく人間の命を奪ってしまうのだから欲望の象徴としての林檎は不気味であるが、ニトロと違って地面に転がろうと傷さえつかなければ十分"委託品"として売り捌けるのだから非常に始末が悪い。この設定は素晴らしい。

決着方法もとにかくぶん殴るので爽快だが、欲を言えば脚を切断される因果展開を期待した。
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