ブラジルマフィアと軍警察部隊の終わりなき闘争
主演のヴァグネル・モウラは最近ではこれもまた麻薬がらみ・史実をモチーフにしたNetflixオリジナルドラマシリーズ「ナルコス」で麻薬王パブロ・エスコバルを素晴らしい完成度で演じ上げた名優、今作では真逆の役柄で、麻薬組織・暴力組織を皆殺しにする軍警察部隊の責任者を演じた。
とにかく観て欲しい一作、麻薬戦争は現在も続く世界的な社会問題であり、一面的な話にはならないのでこう言った映像化の際に傑作と凡作がキレイに分かれやすいが、今作は間違いなく傑作と言える。
1997年のブラジル、通常の警察は先進国と違い恐ろしく待遇が悪く、それに加えて上官から搾取されるため個人での違法な取締りによって収入を確保していた。そういった厳しい状況の中で麻薬組織・暴力組織と癒着する警察官が後を立たず、国家の治安は最低レベルにまで落ちていた。
そんな中、現状を打破すべく組織された「黒い警察」「死の部隊」と言われる通称BOPE(ボッピ)の闘いを描く。
このBOPEが本当に凄まじく、汚職や犯罪をする者であれば警察官だろうが誰だろうが問答無用で射殺してしまう。犯罪の元を断つためなら、少年だって拷問するし証言者の保護もしない
物語の中で、序盤はBOPEを正義だと思わされたり中盤以降どんどん全員悪人に見えてきたり、終盤もうわけわからん状態にされたりしてとても感情と倫理観を揺さぶられる作品になっている。
出来が良すぎてドキュメンタリー番組のような錯覚も覚える。これを観た後は日本に生まれて良かったと思わざるを得ない。あと映像綺麗
WOWOWにて試聴