ヴィターリー・カネフスキー監督が少年期に過ごしたソ連の炭鉱町での記憶をたどる。
第二次大戦後、収容地帯と化した殺伐とした町。
母親の恋人を好きになれず荒んでいくワレルカと、いつも味方の幼なじみの少女ガリーヤ。
タルコフスキーのような美しい霧深い映像の中で、日本のよさこい節や炭坑節(月が出た出た)がかかる違和感は、
幼かった監督が感じたふるさとに捕虜の日本人がいる違和感。
ワレルカには受け止めきれない過酷な現実と戦争の名残り。
ワルツなどのクラシックが効果的に使われる。悲しい記憶がより悲しさを増す。
強烈なラスト。
印象的なタイトルは、監督の少年時代の記憶に対する思いなのかもしれない。