わかうみたろう

動くな、死ね、甦れ!のわかうみたろうのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
-
 サンレイユのラストを思い出させる、光に包まれた少年少女が見つめるものは何なのだろうか。発狂しないで生きる即ち死ぬ、という世界感の中に色々な記憶が詰まっていた。どのカットも別の記憶、もしくは映像と言ってもいいだろう、とノスタルジックが段々削ぎ落とされていく方法でつながっている。光が辛うじて保っている生の美しさは堅牢な社会構造の中で破壊される運命にあることで、残酷なまでにあらゆるものを許容してしまっていた。