Iri17

動くな、死ね、甦れ!のIri17のレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.9
無実の罪で投獄され、54歳という遅咲きのデビューを飾ったソ連の映画監督、ヴィターリ・カネフスキーのデビュー作。

学校にイースト菌を撒くというガチないたずらを平気でしてしまう不良少年ワレルカの冒険や、幼馴染のガリーヤとの恋が描かれ、そこに当時のソ連社会の内情を鮮やかな映像で描いたドキュメンタリー的趣向の強い作品でもある。

ワレルカには全てが詰まっている。少年時代の輝き、愚かさ、実直さ、ワレルカという1人の少年の旅に魅せられ、幼き日の様々な思い出が走馬灯ように駆け巡る。このような作品は他にない。
だからこそあの虚しいラストに心打たれる。こんなはずではなかったと大人になって誰もが感じるのと同様に。
Iri17

Iri17