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ソフィー・マルソーの 過去から来た女のtakのレビュー・感想・評価

2.6
これが2作目となるソフィー・マルソーの監督作品。脚本もソフィーが関わっており、複雑で入り組んだ物語となっている。この後、私生活のパートナーとなるクリストファー・ランバートが主役の刑事を演ずる。彼はダイアン・レインの元夫だから、80年代育ち映画ファン男子にはなんとも羨ましい存在ww。

妻の死後、精神的に不安定になっている主人公の刑事ジャック。ドゥーブルにある老舗ホテルで支配人に会って欲しいと謎の女性から依頼されるところから話は始まる。ホテルを訪ねると、ホテルの経営者が失踪していた。謎の女がジャックに言っていた隠し部屋が存在し、そこにはかつて自動車事故で死亡した女優の思い出の品が多数飾られていた。その女優の風貌は、ジャックに今回の依頼をした女性とそっくりなのだ。失踪した経営者を追うにつれて、ホテル経営者家族だけでなく、ジャックの過去にも触れる事実が浮上してくる。そして、謎の女はいったい誰なのか?

正直言うと、最後まで話がよくわからない。もっと表現のやりようはあるのだろうが、ピンとこなかった。舞台となるル・アーブルとドーヴィルは、ノルマンディー橋で結ばれている対岸にある町で、労働者の町と観光地という大きな違いがある。対極にあるそんな舞台装置に、現在と過去を重ねようとする狙いだと思われる。舞台となる街の特徴がストーリーに絡むのは、ソフィーの元夫アンジェイ・ズラウスキーが「ポゼッション」で試みた手法。分断されたシンメトリーな街ベルリンで、正常と狂気、そっくりな顔の二人の美女。「過去から来た女」がこれを意識しているのかはわからないけど。

途中、画面の上にチラチラとマイクが写り込む演出ミスがある。確かに残念な出来なんだけど、演出ミスって他の映画でも意外とある。「007黄金銃を持つ男」では鏡に撮影スタッフが見事に写り込んでいるし、あの「ローマの休日」でも背景に映る時計の時刻がおかしなことになっている。

ともあれ、消化不良な謎解き映画なので、ソフィー・マルソーのお姿を見たいというファン向けかもな。
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