菩薩

シルバー・グローブ/銀の惑星の菩薩のレビュー・感想・評価

4.0
とりあえず全員狂人、一部鳥人、みたいな作品だった。土方巽暗黒舞踏団→大駱駝艦金粉ショーみたいな人達が沢山出てきて、禍々しいとか、呪術的だとか、ドロドロとかグチャグチャとかネタネタ、みたいな表現しか出来ないビジュアル面、特に砂浜に長い棒立ててそこのてっぺんにケツから腸垂れ流してぶっ刺さってるとことかは最高だったけど、いかんせん台詞の応酬のほとんどが「ちょっと何言ってんのか分かんないっす」って感じで没入してくのが大変だった。とは言えストーリーは至ってシンプルなもので、国が出来て神が生まれて戦争が生まれて救世主が降り立って失敗して磔にされて死ぬ、みたいな、あくまでみたいなお話で、解説によると共産主義への盲信にも繋がるそうだが、映画の欠損部分や未撮影部分を現代のポーランドの風景と監督自身のナレーションで埋めていくその手法は、どうもRPGも攻略本無しではプレイする気すら起きない完璧主義者の俺としてはなかなか受け付けがたいものがあり…。検閲に関する文句をあーだこーだ言うのはスコリモフスキもやってるしまだいんだけど、ラストシーンも未撮影で挙句「俺がズラウスキーだ。」って言われても俺ははじめましてだから知らんがな!ってなってしまった。まぁ諦めず完成に、いや形にした気概は買いたいが…うーん、魅力はあるけど、うーん…って言いながら好きか嫌いかで言われたら当然こんなの大好きな私でした。
菩薩

菩薩