このレビューはネタバレを含みます
言ってしまえば、父と娘の何気ない日常(父親が有名人なので、非日常的なシーンもあるが)を切り取っただけの映画なんだけど、その見せ方、いや魅せ方が、もう抜群に上手い!
スティーブン・ドーフの腑抜け具合とエル・ファニングの屈託の無さがこれまた絶妙で、その自然さが生み出す二人のやりとりの愛おしさと来たら、印象に残らないシーンが無い!というくらいの素晴らしさだ。
一見華々しく派手な生活を送りながらも空虚な日々の繰り返しを象徴する冒頭のフェラーリに対して、ラスト、当たり前の日常が持つ輝きに気づき、自らの足で真っ直ぐ歩き出す主人公。
観客自身も己を前向きに見つめ直せる実に爽やかなエンディング。完璧だ。