SOMEWHEREの作品情報・感想・評価

「SOMEWHERE」に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 黒のベンツは急スピードで田舎道を時計回りにちょうど5周する。セレブリティ御用達のシャトー・マーモント・ホテル。ベッドに寝転んだハリウッド・スターであるジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は虚ろな目をしながら、Foo Fightersの『My Hero』に合わせて踊る双子のポール・ダンサーのパフォーマンスに目をやる。Tバックのヒップがチラ見出来る絶好の状況なのに、男はウトウトと眠りに落ちる。急ごしらえで用意されたポールを折りたたみ、ステレオ・プレーヤーを抱え彼の部屋を去るシンディ(カリサ・シャノン)とバンビ(リスティーナ・シャノン)。左手にギブスをはめたジョニーは昼間っからコロナビールを飲みながらタバコをふかす。携帯に届く非通知のメールには「どんだけ嫌なわけ?」という冷たい文言が並んでいた。交差点で横付けされた女の微笑みに満更でもない表情を浮かべ、狭い路地伝いに女の行く道を尾行するジョニーだったが、途中虚しくなりホテルへと帰る。セクシーなテニス・ウェアに着替えた双子の姉妹のAmerieの『1 Thing』に心踊るジョニーだったが、彼女達のセクシーな生脚にも何故か触ろうとしない。酔っ払ってうたた寝をしていた彼のギブスに書かれた「クレオ」の文字、うっすら目を開けた彼の前には娘のクレオ(エル・ファニング)が微笑みかけ、少し離れた壁際には別れた妻のレイラ(ララ・スロートマン)が立っていた。

 ホテルに止まる有名なセレブリティの物語として、自身の『ロスト・イン・トランスレーション』とも双璧をなす物語では、またしても主人公は言いようもない孤独に苛まれている。愛した妻との結婚生活は終わり、ハリウッド・スターとしてのオーラは、セレブリティに憧れる若い女性が放っておかないが、今作でもジョニーはED(勃起不全)に悩まされている。美女に誘われたベッドの上、秘密の花園に口づけした瞬間、男は気絶したように眠ってしまう。その姿は滑稽だがどこか深刻そうで笑えない。孤独な男は憂鬱なうたた寝から目覚めたところで、長年別居状態だった自分の種から生まれた美しい少女クレオと出会う。左手にぐるぐる巻きにされた白のギブスは男根の機能停止のメタファーであり、クレオが黒のサインペンで書いた「クレオ」の文字からゆっくりと雄としての機能は立ち上がる。SNSに注意を奪われながら、ながら見していたクレオのフィギュアスケート、スマフォで撮影した黒のSUVのナンバー、ベッドでアイスを頬張る2人の姿は、チョコレートに舌鼓を打った『マリー・アントワネット』を想起させる。数年間、一度も顔を合わせていなかった父と11歳の娘は、一度しかない父親と娘としての最後の夏を謳歌する。灼熱のLAからイタリアへ、ジェットコースターのような2人の旅は、皮肉にも勃起不全だった父親に男としての尊厳を復活させる(隣の部屋で貫通した後、日曜日の廊下にはクレオが待つ)。意表を突くようなクライマックスのジャンプ・カット、永遠よりも一瞬の刹那に生きた父娘の姿がただただ胸を打つ。
じじ

じじの感想・評価

4.0
プールのシーンが凄く好き。
結婚とか色んな段階飛ばして娘ほしいな
KayaNanba

KayaNanbaの感想・評価

4.0
社会的には親父がクソだから仕方ないだろ、って思うこともあるけどそうゆうことじゃないよな。ちょっとパパのことを思い出してしまった。親子の形が羨ましく思う。空気感とか静かな音楽とかめちゃくちゃ好きです。ソフィアコッポラは女子って感じに距離を置いてたけどなかなか良かった。私は食わず嫌いしてた。
「俺は空っぽの男だ」

俳優の父親と娘の休暇を描いた作品。

遊び歩いている男だが、実際は空虚。空っぽなんだ。

ポールダンスを観てるときよりも娘と一緒にいる時は幸せそうだ。
そんな娘をキャンプへ送りだしたあとが切ない。

そして最後の車をただ追いかけるシーンは印象的。
彼はどこかへ歩み始めた。
okome

okomeの感想・評価

3.8
たまらなく好き

音楽、映像美、空気感。
孤独感。

エル・ファニングちゃんの虜
emi

emiの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ダラダラとしたシーンがひたすら続いてびっくりした。セリフ情報が異様に少ない。
My heroが低俗な感じでポールダンスのシーンに使われてるのは笑った。
音楽が全体的に良かったし、画面も綺麗。
最後なにもないところでフェラーリを降りて歩いていくシーンが不思議で混乱したけど、要は、希望的に前に進むっていう意味なんだろうなあ。
意味が一回見ただけじゃ正直わからない部分が多すぎた。
naokazama

naokazamaの感想・評価

3.5
最初のぐーたらのんびりの流れに飽き飽きしましたが、後半やっとその意味が分かってきて、そこからは面白かった、というかよく出来てる映画だなあと思いました。

エルファニングが終始可愛くてそれだけでも満足。いつかスイートルームでアイス全種類ルームサービスしてみたいものです。
Yuta

Yutaの感想・評価

5.0
もうやられた。あーーあ

始まりで車を周回させているところからもうそういう映画なんだって感じ。
車を走らせてるとこ、パーティの目線や会話、プールのとことか、流れに身を任せて進んでいく様はまさに人生そのものだしそれを映画として表現する描写は観ていて心地よくなる。
ハリウッドセレブの生活自体は非現実的だが、何故か近くて普遍的な心情になる。
それはきっと人生の物語としてえがいているからこそそう感じるんだなと思う。
スターの自堕落な生活や石膏の型取りでもう一つの世間が作り上げた自分の虚像を見せる描写も多くあるが、それらはアジテーションやスノッブ感は一切排して、柔らかい空虚感、もはや芸術的に撮っているところとかそういうメタファーの乗せ方も私は大好きでそういう映画は素晴らしいと思うんだけど、なんか一旦そういうのすらもどうでも良くて、まさにプールにプカプカ浮かぶみたいな流されていくなんてことのない人生の中で、クレオと過ごした空っぽな夏の日々がジョニーの空虚を満たしたんだ。それって最も美しいことだと私は言い切りたい。
きっと私たちはこの映画を観ているけどジョニーたちのことを客観的にしか観ていない。だからクレオとゲームで遊ぶとことかカジノに連れて行ったりするとことか、ジョニーの不器用な愛の形を感じるに過ぎない。でももっとそれを超えたもの、それは良い意味でも悪い意味でもあの2人以外には分かり得ないものが紡がれているように思った。そして電話するシーンへと。
ラストシーンも最高 だからアレはやっぱりジョニーのれっきとした物語と言える。
けどその物語が生まれたのは人生というプールで1人でだったりクレオとだったりと浮かんだり泳いだりして流されて、休憩して、練習して、美しくて。そういう脈絡のない壮大な物語を生きているからなんだと思います。
リアリティで溢れてるしどこまでもシンプルで普遍的だからこそ、言葉でうまく書けない。多分文章もおかしくなってる...でも後で見返したとき、見終わった時にうまく書けないくらい感情が高揚してたんだなって思えればいいな。本当にそれだけ素晴らしい映画なんだと思います。
ある意味私の中で究極の映画になりました。
ながい

ながいの感想・評価

3.4
まあ綺麗よね 他あんまり覚えてなくて… あと「金持ちって大変ね」くらいか
このバカンス感溢れるカバー、、、


バカンスって普段の時間軸を外れさせてくれるー外していく、あるいは取り戻していくといってもいいかもしれないーものですが、それを考えると、もうこの画だけで正解です。

のろのろ、ゆらゆら、のろのろ、そんなところの浮遊感を肯定してくれるのです。
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