巨匠フランシス・コッポラ監督の傍で見た『娘の日常』
ハリウッド映画のスターである主人公がどうしようもなく空虚となった私生活に、娘を預かることにより『普通の生活』に『彩を見つけ出す』本作。
『ソフィア・コッポラ監督の幼少時代の思い出から着想を得た映画』とあるのですが、スーパースターの身の回りに起こる喧騒の解像度が高く、それに伴い『普通の生活』という点がとても輝きを見せます。
確かにそこに注視している分起承転結が薄く鑑賞している側からすると『ほぉ…』とか『で?』というような感想になってしまいがちです。
評価が分かれるのはその点なのだろうなとは思うのですが、『住む世界が違う』と割り切って鑑賞するには少し『もったいない味のする映画』だと思いました。
美しいロケーションも『住む世界が違います』が、娘との交流は『どこでもある家族のソレ』で、そして採用されている楽曲が『鑑賞者に寄り添っている』のがとてもよかったと個人的には思いました。
セレブの一休みと簡単に言い切れない、『家族の何か?』というものを感じさせてくれる愛おしい作品です。
ぜひご鑑賞してみてはいかがでしょうか。