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紫頭巾のmitakosamaのレビュー・感想・評価

紫頭巾(1958年製作の映画)
3.2
東映YOUTUBEにて。御大・千恵蔵による紫頭巾とのこと。紫頭巾ってキャラクターは戦前からあるっぽいね。

江戸時代・老中田沼による金権政治の腐敗が進む中、世の悪行を正さんと戦う謎の紫頭巾の戦いが描かれる。
紫頭巾は普段は筧竜太郎なる凄腕の浪人だ。さらに変装をして江戸で人気の絵師・刈田秀麻としても活躍。
この7変化も見どころの1つだ。

これを御大が演じる。この映画の頃で55歳くらいだろう。いやいや貫祿あり過ぎるよ…特に竜太郎として小料理屋の女将に求愛されるのは無理があり過ぎる(笑)

冒頭・尾張大納言の死去により田沼意次が政治を引き継いで圧政を敷く。
老中田沼は、これぞ田沼意次だ!というくらいステレオタイプな悪役だ。素晴らしい。
邪魔者は刺客を送り殺し、賄賂をせびり米相場をつり上げ、油問屋の娘を奪おうと脅迫する。

紫頭巾はといえば、まず思ったより紫じゃない!(笑)どちらかといえばエンジ色っぽい。バイオレットな真紫をイメージしてたのに!
奉行が月形竜之介でその息子に里見浩太朗。彼が味方になり田沼に立ち向かう。

ラストシーン、将軍の前で家老の悪を暴露する為に能狂言の舞台を利用するというやつ、物凄い既視感あるなと思ったら…先日見た千恵蔵の“御存じいれずみ判官」だ。ラストが丸っ切り一緒じゃないか!

実は尾張大納言を殺したのも田沼であり、紫頭巾は生前の大納言の密命を受けた部下だったと判明。
徳川家斉もアッサリ自分の非と田沼の悪事を認めちゃう。無能だなー(笑)

紫頭巾の正体を岡っ引きらが良い所まで追っていていたのに、その件はウヤムヤになってるのが惜しい。目明かしの部下のダイマルラケットもナイスコメディリリーフだったんおだがなぁ。
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