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恋のミニスカ ウエポンのくりふのレビュー・感想・評価

恋のミニスカ ウエポン(2004年製作の映画)
3.5
【確かに恋のクィア・ウエポンだ!】

Netflixにて。新入荷したのかな?もう20年近く前だけど…日本では『シン・シティ』でのデヴォン青木に便乗しつつ、DVDスルーされた気が。当時はアホっぽいからスルーしたが、見たらば拾いもんじゃん、ウエポンじゃん!

アンジェラ・ロビンソンって聞き覚えがあったが『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』の監督じゃん!それなら過去、ウエポン放ってても不思議じゃない。

20年前の感覚は忘れているが、レズビアンを、レズビアンの関係に成ることを、当たり前に、物語の中央にケロッと置くことは当時、かなり斬新だったんじゃないか?

一方、レズビアンである監督は、差別に晒される鬱屈が必ずあったと思われ、この物語仕立てには自虐も感じる。スパイという任務を放り出して女にのめり込む女。いつしか迷惑ウエポンに変貌し、結果的に周囲を攻撃しまくる、という。

が、おマヌケコメディの裏に、こうでもしないと愛し合えないのよ!と悲痛な叫びもあるような。フォーカスされるスパイの“ウソツキ”特性も、クローゼット・ゲイの暗喩に思えます。そんなトコにちょびっとシンクロし、ちょびっと特別な作品に感じられた。

元々は、インディーズの短編だったんだね。メジャー長編化でどう変化したのか、機会があれば見比べてみたい。当初からのレズビアン設定を当時、貫いたのはエライとおもう。

敵役?ジョーダナ・ブリュースターは後にワイスピの一員になったようだが、素の美人である彼女以外、何だか冴えませんね。監督はキレイに撮る気がないのかも?デヴォン青木って女優じゃないなーと改めて実感。差別的ヘンなアジア人枠でそもそも、ハンデ大だけど。

“空中ブランコ監視”は、バカバカしいけどステキでした。下から見上げても、ミニスカなのにパンチラ対策万全で、さすが女性監督です。

…総合的には完成度より、鮮度に惹かれる映画でした。20年前の作品なのに。

<2023.10.9記>
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