B姐さん

肉体の悪魔のB姐さんのレビュー・感想・評価

肉体の悪魔(1986年製作の映画)
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メンヘラ年上美女に高校生が一目惚れし、恋をする。しかし彼女には婚約者の恋人がいて・・・と言う話。恐ろしく通俗的な話なのにマルコ・ベロッキオが演出するとすごく変わった感じになる。
こういう話は得てして、少年の視線を通して語られるが本作は違う。
少年役のフェデリコ・ピッツァリスは全く魅力がなく、だから少年の視線を「わざと」回避しているようにも見える。一人称によるモノローグもない。

年上の美女は観客の視線に晒され、私たちも彼女の視線に晒される。だから彼女の裸体は、私たちのためにあるような錯覚に陥り、彼女の突飛な言動に困惑させられる。

一見難解っぽく映るが解釈の余地が残されているので、思ったほどではない。
それは彼女から「わたしを理解して」と懇求されて真っ直ぐな瞳を向けられたら、そして演じるのがマルーシュカ・デートメルスだったら、彼女の深淵な闇に目を凝らす努力はするだろう。

(※本レビューは映画を語っているようで何も言っていないに等しい酷い代物と自覚しています。ぜんぶ師走のせいだ。)

DVD(12/6/2014)
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