肉体の悪魔の作品情報・感想・評価

「肉体の悪魔」に投稿された感想・評価

主人公のジュリアなる女、男なら色々と妄想してしまうような美人だが、笑い方といい序盤から異常さが際立っていた。しかし目覚めたアンドレアに対してかけた言葉…なんだか哀しい…
白いベッドに赤いバスローブがコントラスト。音楽も印象に残る。距離を保った定点カメラも悪くない。
MegmiTanak

MegmiTanakの感想・評価

3.7
マルーシュカ、色彩、生活感のないアパート、原作、ダンスシーン、全てが最高。

これは決してラブストーリーではない。
お互いが運命の人でないことは誰もが分かる。
刹那的な恋愛に、自分自身を見出す物語。

原作ではラディゲの、人妻の年上女性に抱いた恋に葛藤する姿を書いている。愛を語るには幼稚すぎる10代ならでは残酷さが魅力的。
映画では、学生の全力な愛情を受け入れつつ、自身の生き方を見直す女の姿を、女性特有の複雑な感情の変化と共に描いている。

ベロッキオは、女性の感情の起伏を非常に上手く表現している。

特にラストのダンスシーン。
髪を振り乱し、倒れそうになりながらも一心不乱に踊る姿は、彼女の生き方そのもの。

人は言う、彼女は精神を病んでいる、と。

それを言ったら女性は皆、病んでいる。
説明のつかない複雑な生き物なんです。

彼女はただ、必死に生きている。
宇京

宇京の感想・評価

3.6
あたまのなかの耳元で、三角関係だね!って陽気なひとに囁かれるまではめちゃくちゃ天才かよまじかよってなりました、行動や心情は一行で書けても、真実らしいものを書くためにはもう一行必要なんだなと思った。
オープニングの授業のシーン、主人公だけ服が赤くて、ハイライトされてる。クラス全体を映すカットなのに誰が主人公なのか一瞬で分かってしまう。色の使い方が地味にうまい。

主演女優の子がえらいかわいいしね。椅子に座った患者のおばさんが、なぜか美脚を披露したと思ったら全裸のねーちゃんに入れ替わってるシーンが最高!!!
しかし、ベロッキオの映画には精神異常者ばっかり出てくるなマジで。
ラディゲの不朽の名作をより性的描写を強めマルコ・ベロッキオが映画化した、精神病を患う女と彼女に狂う青年の話

冒頭、教室の外で起こった事件を見て教室を華麗に飛び出し、その先で会合する女性と恋愛が始まる様は、安寧とした勉学の世界からの脱却みたいなものを視覚的によく表せていた

そしてその一連のシークエンスであった裁判の席で当事者の一人にもかかわらず性行為に及ぶカップルの姿も、思えばとにかく情事に耽りまくる作品を象徴するものがあって中々鮮烈

頻出する人物の顔の意味深で雄弁なアップも特徴的で、特に冒頭と対比的になっているラストのヒロインの表情は文学的な趣きすら感じられるもので締めに相応しいものだった

でも個人的にはこれまた序盤にあった、主人公の父親がファムファタールの幻影に苛まれるシーンが印象的で、そんな異性に悩まされる堅物学者の話でも面白かったんじゃないかと途中思った
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2017.8.17 DVD

シーンが変わるたびにメイクもルックスも変化する「奔放な」マルーシュカ・デートメルスの圧倒的な魅力。表情変化の過程を重視するベロッキオの精神分析的な演出が面白いし、雷雨の夜にダンスをしながらの家具破壊シーンはなんとなくハネケっぽい。濃厚で長い濡れ場やリアル尺八、手コキカラオケみたいな詩の朗読シーンも最高。
ち

ちの感想・評価

4.0
狂気と性衝動に取り憑かれた女、愛と涙による浄化。冒頭にて黒人女の示す狂気はジュリアの共感の涙を呼び、見つめるアンドレアはその姿に恋をする。公判中に檻の中でセックスを始めるテロリストのカップルが印象的ですね。政治的転向の拒否。デートメルス演じるジュリアの叫ぶ「最後までやらせてやれ!」。ジュリアとアンドレアは肉欲に溺れ、政治的転向(狂気からの離脱)をしたテロリストのジュリアの婚約者を置いていく。狂気のメタファーとして配置される屋根、ロープ、月。しかし、アンドレアはその全てを狂気に身を投じることなく、高校の最後の口頭試験で理性を見せ、ジュリアの涙を呼ぶ(両者の狂気からの開放)。女の肉体に潜む悪魔はの愛と理性によってのみ去るだろう。

デートメルスによる怪演が光を放つ。高笑いがやはり印象的。崖の縁に立っているような緊張感を終始作り出している。いやまさか本当にフェラチオしてるなんて。。。

良くできているんですけど、狂気についての映画なのに少しまとまり過ぎていたかなという印象。ただベロッキオによる原作の要素の抽出、舞台をイタリアへ置き換え、新たな要素を盛り込み語らせるその手法の鮮やかさには感服する。
spacegomi

spacegomiの感想・評価

4.2
マルーシュカ・デートメルスを求めて垂直にロープをよじ登る青年の姿に感動した。
王子

王子の感想・評価

5.0
マルーシュカ・デートメルスが魅惑的すぎてヤバい。彼女は精神分析家曰く「イカれた女」として出てくるが、精神分析家はふつう患者を「イカれている」などとは言わないし、彼女の方はというと、錯乱の兆しはあるがいたって飄々としているのである。しかも冒頭において、本当に精神を病み自殺を試みようとする女性が登場し、対置されるのである。つまり、彼女は頭がイかれてはいないのかもしれない。いや、ひとはみな、多かれ少なかれ頭がイカれていると言うべきか。しかし、そうであるならば、なぜこんなにも翻弄されてしまうのか。デートメルス、おそろしや。
肉体の悪魔のタイトルどおりに
ヒロインの蠱惑的な肉体がふんだんに出てくるし
男どもがそれに誘い込まれたり抗ったりと

ドロドロズルズルした愛憎劇

ではあるかもしれないが
割と淫靡な雰囲気もなくあっさりとした感じで
物語も淡々と進行していき

撮影の角度や演出などには芸術を感じる


ようはいつものように芸術性の高いフランス映画という雰囲気であまり自分にはしっくりこなかった
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