かんふーきゃっと

キャリーのかんふーきゃっとのネタバレレビュー・内容・結末

キャリー(2013年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

○ミスキャスト?
 デ・パルマ版の肝は、イカれたママンと見るからに不健康でアレな感じのキャリーだった。比較して今作のママンであるジュリアン・ムーアに狂気は余り感じられない。キャリー役のクロエ・グレース・モレッツに至っては可愛過ぎてそもそも役に合わない(キック・アス2でも「冴えない学生」を少し演ったけれど無理があった)。

○リメイクする意義とは…
 前作を鑑賞しているかどうかで印象が全く違うと思う。比べて下さいと言わんばかりに本家と殆ど同じ展開が繰り返されているが、今作は描写がソフトというか生温い。それこそ『キャリー』のリメイクである必要性を全く感じないほどに。超能力描写は増えているもののスーパーパワーといった趣きで禍々しさが無い。反面、分かりやすくはなっており、罪悪感から彼氏を譲ったスーの描写などは丁寧だ。

○クロエがカワイイ!
 ドレスアップする前から徹頭徹尾可愛い。ビフォーアフターの差がない様子に『シャイニング』のジャック・ニコルソンを思い出した(途中から狂う役柄の筈なのに、狂人役に定評のあるジャックから狂気がだだ漏れなのだ。でも面白い!)。
 プロムの準備辺りから映画全体が祝祭ムード満天で、クロエのキャリーならトミーとも実にお似合い!票をすり替えずとも普通に優勝し、惨劇も無事に阻止される展開ならむしろアリだと思った。しかしバケツは降ってくる。被った血が不自然なくらい丁寧に塗られていた事と、トミーにぶち当たったのが空のバケツになっていたのには興醒め。ドリフのタライか。

◎総括するゼ★
 クロエちゃんのキャリーごっこ。ソフト路線という言い訳も効かない程に演出も間も終始悪いのでホラーとしても凄みに欠ける。
 それでもクロエちゃんのファンなら全然アリな本作、比較するのも面白いと思うので良かったらデ・パルマ版も一緒にドウゾ★