Shizka

人生の特等席のShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

人生の特等席(2012年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

クリント・イーストウッドが出ていると、当然彼監督の作品のように思ってしまうし、違うと分かっていてもそう見てしまう。つまり作品に彼のテイストを求めてしまう。硬質でスポットライトが当たらないであろうヒーローの偶像のやりきれなさ。

もちろん彼の監督ではないので彼のテイストはない、のはわかっているけどなんかこうじゃない感じがするんだよなあ。

ホームドラマの中に、辛うじて頑固な要素を入れてイーストウッドらしさを出している。まあその意味では彼の起用は間違ってないけれど、映画全体ののテイストで見た時にやっぱりどこか不自然だ。

娘さんとの心の交流はホームドラマっぽいけれど、これもなんか薄い。父と子の関係性が上っ面だけに見えてしまう。ほっとかれた期間のワダカマリとか、感じないんだよねえ。週一で二人でバーで飲んでた関係なら、そんなに悪くないんじゃない?

あとはお決まりの、父から子へ受け継がれている特殊能力で相手をやっつける。誠に月並み。その辺の坊やが豪速球を投げるとかもうホント、、、

もしイーストウッドが監督していたら? こういう展開にはしなかっただろう。その代わりもっと重苦しい、鑑賞後に何かを残すような映画になっていたことは間違いない。でもこのホームドラマでは物足りない。

イーストウッドも出演していて「お前の脚本、ええやん」とは言ったものの、俺だったらこうじゃねえんだよな〜と思っていたのでは、、、
Shizka

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