HMM

華麗なるギャツビーのHMMのネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ニックの目線で語られるという点がとても大事と感じました。

ストーリーは言ってしまえばありふれた昼メロだけど、理想的な愛のために行動するギャッツビーを「君だけが価値がある」というニック。

ニックはギャッツビーに出会った時、夢を諦めて、ひたすら利益を求める投資業界に転職し、同時にきらびやかな社交会に足を踏み入れたばかりだった。そこは、誰もが一時の快楽と自分の欲望の為だけに生きていることを、痛烈に感じとる世界だから、ニックはそうした人間の性質に、人一倍の嫌悪を感じるタイミングにあったのだと思う。
そうした嫌悪感は多くの人が経験し、だけどそのうち慣れてしまって、「普通」になっていく。間違ったことではないし。

ニックはまだそうした人々に慣れない中で、ギャッツビーが理想の愛を決して諦めず、デイジーのためだけを想って生きていることを知る。自分がどれだけ追いつめられても、大切な人を傷付けないことを優先したのは、ギャッツビーだけだった。その愛が現実には無く、空回りに終わったとしても。憧れのいとこだったデイジーも、それほどの愛を受けていてさえ、自分を守るためにギャッツビーを顧みなかった。

ギャッツビーや彼の精神に憧れるニックは、現実を生きるのにはちょっと不向きだろう。ニックが精神病を患っているという最初の描写でそれを認めながらも、彼らの精神の美しさを語っている映画だと思いました。
古典的だけど、やっぱり面白いですね。
俳優もいいし映像もキレイなので、興味が湧いたら見てほしいです。
HMM

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