もともとバズ・ラーマンの華美でゴテゴテした味付けは大好きなのですが、ゴージャスだけどどこか胡散臭さが漂うディカプリオとは相性抜群ですね。「ロミオ＋ジュリエット』の頃は正しく王子様だったのになあ。
過去を取り戻すために一途だけれど独りよがりな努力を続ける男と、不満を持ちつつも現実を受け入れる強かな女。
「みんなクズばかりだ、君だけが価値がある｡」ニックもまた純粋な男だったからこそ、出てきた言葉だと思います。バブルに沸く狂騒の時代、贅沢を貪り保身に走る利己的な人々。その中でギャツビーの純真さは、ひときわ美しかった。
ラスト、誰も居なくなった城の静けさに、切ない余韻が残る作品でした。
