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のぼうの城のバナバナのレビュー・感想・評価

のぼうの城(2012年製作の映画)
3.5
石田三成が敵役だから、丁々発止の頭脳戦を展開するのかと思いきや、例の場面も作戦でやってたんじゃなかったのね(あの人も、ピエール瀧が死んでるのに、生きてたらあかんでしょ)。

石田三成も、鋭利な官僚タイプがどうして玉木宏や斉藤工でなくて、たぬき顔の上地雄輔?と思ったら、秀吉に寵愛されているお坊ちゃまタイプのキャラクターに成り下がってるやん。
「利に敏いやつらだけではなかったな」と言わせるんなら、最初の方で三成がそういう奴らに取り囲まれて辟易としてる場面を入れとかなあかんでしょ。
第一、横におる大谷吉継の方が目立ってるって、どういうこと!

甲斐姫の武勇伝や、その後始末を成田長親がしたというエピソードも、回想でちょこっと入れるんじゃなくて、そこをちゃんと映像で見せとかないと、彼らの人間性が分からへんやん。

甲斐姫も、「あの人は、この世の人か」と家臣に恋心を抱かせるような絶世の美女なら、榮倉奈々だったらあかんでしょ(できたら、比嘉愛未がよかった)。
彼女がいきなり男勝りな事しても、全然ギャップないやん。
見た目からして、ああ、やりそうなじゃじゃ馬やね、で終わりやん。

それに萬斎さんも、最初っから全部狂言のような動きって…。メリハリ付けてほしかった(『陰陽師』の時よりも、普段のシーンで狂言度が増しているのはナゼ?)。
忍城の家老三人組はよかったけど、肝心の成田長親、石田三成、甲斐姫がもう少しキャラを立たせる事ができたんじゃないの、と思いました。

P.S.後で原作を読みましたが、甲斐姫の武勇伝や、成田長親がそれを上手く後始末したという話は、噂話ていどで具体的なことは全く書いていませんでした。アカンやん!
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