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東京家族のchibaryoのレビュー・感想・評価

東京家族(2012年製作の映画)
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「家族はつらいよ2」→「家族はつらいよ」→「東京家族」と制作された順番を遡っての鑑賞。近年の山田洋次監督の「家族」「時代」「世代」に関する考えが感じられた。
「息子が医学博士で、娘は床屋を開いて、立派に育って幸せじゃないか」とする前近代的幸福観はもう信じられない一方で、一番フラフラしてると思われた次男が福島のボランティアに行ってたり素敵な人と寄り添おうとしてる姿は、これからの時代の生き方をきちんと描こうとしていると感じた。
「この国はもう駄目だ」とこぼすお父さんが、「これから厳しい時代を迎えるけれど、貴女が息子にいるなら安心して死ねる」と言うまでの変化に、山田洋次監督の現実的な希望が込められていたと思う。しがらみ、世代の違い、価値観の違い、それらひっくるめて間違いなく家族はつらいんだけど、それでも、という意志を僕は受け取った。若い世代は何か感じるのかな。
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