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砂漠でサーモン・フィッシングのbluetokyoのレビュー・感想・評価

3.0
2024年3月10日 2:45~ テレビ東京 吹替え
砂漠でサーモン釣りを楽しむという突飛な一発ネタで最後まで押し通した。とはいえ、繊細でハートフルな情感を表現していて、意外と佳作な感じだったりする。細部まで手を抜かないリアリズムの賜物かもしれない。ただ、やはり、こういう感じなら、もうちょっと普通のネタでもよかったのかな、とは思ってしまう。

簡単にあらすじ。
水産省みたいなところに勤めているアルフレッドのもとへ、砂漠でサーモンの釣りプロジェクトという問い合わせ。そんなもんムリだろ、とアルフレッドは、相手にしなかった。
ところが、政府報道官、パトリシアは、このプロジェクトに飛び付く。最近、中東との関係がぎくしゃくとしていて、明るい話題がまるでないからだ。則ゴーサインを出してしまう。
困ったアルフレッドは途方に暮れる。だが、プロジェクトのサポートを請け負うコンサルタント会社のハリエットは、冷静に解決策を提示する。

該当する国はイエメンであるが、イエメンには、高地があって、そこは、標高が高いので、気温はそれほど高くはない。緑もあるし、川もあったりする。さらに、最近、ダムもできた。

とはいえ、そうした好材料も、不可能ではない、といった程度。さまざまな困難が立ち塞がる。アルフレッドとハリエットは、なんとか、二人で力を合わせて、困難さをクリアしていく。いつしか、二人は、お互いを気にするようになっていく。
サーモン釣りプロジェクトも富裕層の道楽に思えて、実は、緑化プロジェクトの一環だったりする。

だが、実は、二人はそれぞれプライベートな問題を抱えていた。アルフレッドの妻は、超ビジネスライクな感じで、学者肌で夢想家のアルフレッドを小バカにしている。ハリエットの夫は戦地に行ったまま行方不明になっている。

サーモン釣り大会が開催される。そんなとき、なんと、ハリエットの夫が、帰還して、ハリエットの目の前に現れたのだ。ハリエットの気持ちは、すでにアルフレッドに傾いていて、ハリエットとしては、夫の帰還を率直に喜べないでいるわけだ。

そのとき、上流のダムが大量の水を放流してしまう。反対派がサーモン釣り大会を潰そうとしたのだ。川は鉄砲水状態になり、サーモンも流されてしまった。

サーモン釣りプロジェクトは失敗に終わる。だが、アルフレッドは、役所を辞職しても、この川にサーモンを生息させるというプロジェクトは続行させようとするのだった。そんなアルフレッドにハリエットは共に歩んでいくことに決めた。

サーモン釣りプロジェクトではなく、直球で緑化プロジェクトでいいような気もする。それだと協力してくれないのであろうか。
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