『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクバ監督によるサスペンススリラー。原作はパトリック・ジュースキントによるベストセラー小説。
親の愛を知らず、超人的な嗅覚を持って産まれたグルヌイユが、のちに調香師となり究極の香水を完成させるまでを狂気的に描く。舞台は18世紀のパリですが、キャスト全員英語で会話しますw
香りがテーマとなっているだけあり、まさに匂い立つような作品でした。冒頭、鼻のアップから始まり、主人公グルヌイユが生まれた湿っぽい悪臭漂う魚市場の臨場感は見事で、以降も鼻を強調した、嗅覚の鋭さを象徴するカットが目立ちます。
映像は全体的にダークトーンでまとまっている一方、髪色の赤や杏の黄、ラベンダー畑の紫色などが随所で鮮やかに作用し、さながら絵画のような雰囲気を纏っていましたね。
ダスティン・ホフマンやアラン・リックマンなどの名優もキャスティングされていますが、本作はやはり主役であるベン・ウィショーの怪演があってこそ。
クライマックスシーンは圧巻の一言ですが、恐らくあの常軌を逸した光景を受け入れられるかどうかで、評価は分かれるかも知れません。。
あの究極の香り…嗅いでみたいものです。
でも、猫は煮出しちゃダメ絶対!