映画は見てみなければわからない
自分は見たという自負、同じ映画を見た者との共犯関係(受けとめかたが真逆だとしても)、それを含めての映画なんだと
よく思うことだけれどあらためて
ジャケ写からはまったく想像できない映画だった
客観的に見れば連続殺人鬼でしかない主人公を肯定している自分に気がついた
殺人というよりは何かに捧げられる崇高な儀式の結果、ひとりまたひとり生き絶えるという描写だった
主人公が希求するものがそれほどまでに純粋ということが伝わってきた
19世紀にタイムスリップして撮影したかのようなセット、大群衆…ハリウッド映画でもないのに素人でもわかるくらいの莫大な予算をつぎこみながらこれ見よがしなところがない
そのことが主人公の純粋さとリンクして胸に迫った
世の中の評価は低いけれど心打たれた「ヘブン」の監督作品だった
この作品を演じるために生まれてきたといってもいいくらいベンウィショーが素晴らしかった