たますけ

舟を編むのたますけのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
3.9
ある出版社の寄せ集め編集部が、気の遠くなるような歳月をかけて二十数万語が収録された新辞書作りに挑む姿をユーモラスに描く。

2時間と少しのフィルムに15年の歳月を詰め込んで見せてくれました。人間の成長も死までも織り込んでくれたタペストリーのような映画。原作を知っていても感動しました。

松田龍平くんが馬締くんの変人ぶりを上手く演じてましたね。
ちょっとコミュ障だけど、言葉に関しては天才的な主人公。
いや、コミュ障じゃないな。
ちゃんと人を好きになり、傷つくことを恐れずそれを相手に伝えられる人間でした。あの恋文のシーンは大好きです。
「こんな達筆読めないじゃない!」と、玄関で馬締にそう言い放った表情に宮崎あおいの凄みを感じました。出番は意外と少ないのに存在感たっぷりだったなぁ。

辞書の完成が2009年。
そこから15年前から描かれているので、お化粧やファッションが懐かしいです。当時はまだガラケー時代だし。
「言葉」は普遍でありながら時代とともにどんどん進化していくものだと実感しました。
そして自分が死んでも遺るもの。と考えると、このレビューを書いている時点でちょっと怖くなっちゃう^^
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