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綱引いちゃった!のodyssのレビュー・感想・評価

綱引いちゃった!(2012年製作の映画)
2.0
【こういう邦画はもう沢山!】

見ていて、あまりに邦画的で、新奇さもなければほほうと驚くところもなく、一種のルーチンワークになっていることに呆れました。まあ、このくらいの映画でも楽しめる人もいるから、こういう作りになるのだろうと思いましたけれど(失礼! でもそう言いたくなっちゃう映画なんだなあ)。

大分県って一品運動で知られたところですよね。だから綱引き、なのかどうかは知らないけど、綱引きという一品をタネにしてこのくらいの映画作りをするってどうなんですか。大分の名折れになりませんかね。ついでに、地図で大分県の位置もまともに指せない広島県の生徒の低学力ぶりについても同じ懸念が。

脚本や設定も安易。例えば義母と息子の関係なんか、いったいいつの話なんだと言いたくなる。そして最後はおきまりの解決。

この脚本を書いた奴は昭和30年代に青春時代を送ったりしてないですか(笑)?

コーチをめぐってはチーム内に三角関係があったはずなのに、うやむや。ほんわかテキトーに脚本書いてればこういうふうになるという見本。

小学生に負けても悔しくないような人たちが、ひそかに練習を重ねているって筋書きも無理目。勝負ごとの世界に足を踏み入れたら、あんなちゃらんぽらんな態度でいられるはずがない。

市長の態度豹変にしても、ああいう場合、再雇用については或る程度相手に条件を呑ませるのが普通じゃないかな。いい加減な市長という設定だから脚本もいい加減になるんでしょう。(ついでに、そういう市長を選んでいるのは市民だから、○○なのは大分市民だって結論になるのでは。)

劇場で鑑賞したら、客は最初から最後まで私ひとり。いやあ、私だけのために映画を上映してくれて感謝しますと言いたいところですが、この出来じゃ不入りでも無理はないという結論が妥当でしょう。
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