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よく知りもしないくせにのレクのレビュー・感想・評価

よく知りもしないくせに(2009年製作の映画)
3.8
男と女、酒と煙草、映画監督の日常が織り成す人生の会話劇。
反復する中での潜在的な欲と反転する中での顕在的な感情は見事で、言葉というものの本質を捉える。
長回しによるズームでカットを割らず、画面の外の出来事を想像によって補完させるホン・サンス節が炸裂。

口先だけではなんとでも言える人、自由と無責任の履き違え、優しさと無関心さ、微妙な距離感と雰囲気。
大切ではないことなんて何もない。
取り留めのない会話に面白味を見出す、これこそが日常の楽しみ方だといった人生賛歌でありながら生々しい人間味を掘り起こす。
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